誰もが一度は、「学校や塾の勉強についていけない、苦手な科目がどうしても克服できない…」といった経験をしたことがあるでしょう。
自分の能力が低いから、と諦めてしまっては今より成績アップは望めません。
授業やテキストの内容を一度で完璧にマスターすることは難しく、習ったはずの問題に再びつまずいてしまうポイントは人それぞれ。
つまずく事で初めて「この部分が理解できていなかった」ということに気づくこともあります。
頑張っているのに成績が上がらない、というお子さんには、必ずこの「つまずきポイント」があります。
「つまずきポイント」を見つけ、きちんと理解してから先に進むことが、成績アップの第一歩と言えるのです。
このように振り返りながら学習していくやり方を、「さかのぼり学習」と呼んでいます。
今回は、より効果的に学習できる「さかのぼり学習」について、詳しくご紹介します。
目次
1. 「さかのぼり学習」とは
「さかのぼり学習」は、学校や学習塾での指導においても成績アップのために効果があると言われています。
ただ単に知識を詰め込んだり、理解不足のまま問題を解き続けていくことは、子どもが自信をなくし、「どうせやってもできない」という気持ちを生む原因になります。
「さかのぼり」とは今までの学習を振り返ることですが、ただ単純に復習するのでは意味がありません。
まず始めに、「さかのぼり学習」の意味や、やり方のポイントをしっかりと理解しておきましょう。
1-1. 根気よく「弱点探し」
「さかのぼり学習」は算数(数学)、英語などの科目に向いた学習方法です。
これらの教科にはそれぞれ”単元”という項目が設定され、それぞれ独立した学習のように感じますが、実はその後の学習に幅広く繋がっているものです。
例えば算数の場合、簡単な足し算、引き算がきちんと理解できていない場合、暗算はもちろん、筆算の学習やグラフからの読み取り、面積の計算など多岐に渡って影響を及ぼします。
英語の場合、be動詞と一般動詞の基本が明確に理解できていない場合、その後の進行形や不定詞、受動態などの単元になると大きく混乱してしまうでしょう。
このように、子どものつまずきや理解不足の内容がどこにあったのかを探っていくのが「さかのぼり学習」です。
つまずいたポイントは、それぞれの子どもによって変わってくるため、どこに弱点があるのかは一概には言えません。
子ども自身でさえわかっていないケースが多いので、根気よく探っていくことが大切です。
1-2. 基礎の「き」を理解しよう
理解不足の根源は、ほとんどの場合基礎的な学習にあります。
難しい演習問題に取り組むよりも、やさしい基本問題のレベルにさかのぼり、一通りこなしてみるのがポイントです。
全体をざっと流して解いてみることで、基本が定着できていない項目が見えてきます。
理解不足があるまま先に進んでいるために、その部分がネックになって先々の学習が困難になったということを、子ども自身も実感できるでしょう。
2. 「さかのぼり学習」が成績アップに効果的な理由
日々の学習でわからないことが多くなると、子どもは「自分自身はできない人間」と思い込んでしまうことがあります。
そうではなく、過去のつまずきに原因があった、という事への気づきがとても大切です。
自分自身を否定した状態が定着してしまうと、その先もネガティブ思考に支配され、何をやってもうまくいかなくなってしまいます。
「さかのぼり学習」は、自分でも気づかなかったような疑問点を解消することで、「やればできるんだ!」という成功体験を経験することができ、ポジティブ思考で前に進むことができるきっかけになります。
少しずつの自信を積み重ねていくことで、新しい学習や少し高いハードルに直面したときでも、「やればできる」という気持ちを持ってチャレンジできるようになります。
嫌いなこと、苦手なこと、わからないことに取り組むことは、誰にとっても苦痛です。
弱点を振り返ることは誰しもが面倒な作業であり、まわり道のように感じるかもしれません。
しかし今まで理解不足だった穴ぼこを、ひとつずつ丁寧に埋めていく作業が「さかのぼり学習」の大切なポイントです。
理解できていない箇所をそのままにし、先へ進んでしまっても壁にぶつかるばかりです。
何学年前まででも立ち戻り、できていない箇所をしっかりと洗い出し、基礎を徹底理解することが結果的には成績アップへの近道になるのです。
3. 「さかのぼり学習」ができる教材
塾での勉強は、先へ先ヘ進むことでより早く知識を定着させる、という勉強方法が多くみられます。
小学校5年生までに6年生までのカリキュラムを終えてしまう、という学習塾も少なくありません。
この学習方法は、「さきまわり型」が合っているお子さんであれば問題ないでしょう。
しかし「さきまわり学習」は分からないことがあったとき、そのまま先に進んでしまうことで、さらに混乱を起こしてしまいやすいのが問題です。今よりも成績をあげるためには、苦手科目の克服が必須になってくることでしょう。
そんな時は、今一度さかのぼり、基礎を定着させることからはじめてみましょう。
「さかのぼり学習」の教材ですが、タブレットやPCを利用することで、家でも好きな時間に学習することができます。
特に通信教育の教材は塾よりも費用が安く、通学の手間もかからないのでおすすめです。
苦手科目を補強して今よりも成績アップしたい方は、塾と併用してもよいですね。
教材の中でも、自立的な学習ができると評判の高い「すらら」は、学年ごとの学習にしばられない「無学年方式」を採用しています。
「つまずき診断」で苦手分野を発見できるので、自分でも気づかなかった理解不足のポイントをでき、自然と「さかのぼり学習」の習慣が身につきます。
充実した内容ながらリーズナブルな価格は親にとっても嬉しいポイントですね。
※実際に「すらら」で学習してみた感想はこちら
4. 「さかのぼり学習」に関するまとめ
勉強を頑張ってもなかなか目に見えて結果が出ないと、モチベーションが下がり、勉強に対して意欲的ではなくなってしまうでしょう。
塾の時間を増やしたり、闇雲に勉強を時間を増やしても、そうは簡単に成績アップにはつながりません。
そんなときは、ぜひ「さかのぼり学習」を取り入れてみてください。
子ども自身でも気づかなかったところに、理解不足の落とし穴が見つかるかもしれません。
まずは簡単な問題ができるよう、しっかり基礎を固めていく意識を持って親子で取り組んでみましょう。