机に向かってもすぐに気が散って別のことを始めてしまったり、ふらふらと立ち歩いてしまったり、子どもの集中力のなさに悩んでいる保護者も多いことでしょう。「運動後に勉強すると集中できる」といった噂も聞きますが、果たして本当なのでしょうか…?今回は、勉強する際の環境設定や進め方の工夫など、集中力のない子に効果的な方法をご紹介します。
目次
1. まずは勉強に集中できる学習環境を整える
集中できない子どもは、周りにある物や音に気を取られてしまうことがよくあります。それを防ぐには、集中力を削いでしまう原因となる物や音を排除した環境を作ってあげることが効果的です。環境の作り方の例には、以下のようなものがあります。
1-1 勉強机を壁に向ける
窓の外の景色や部屋の中にある物に気を取られるのを防ぐため、机を壁に向けて設置しましょう。また、背後を人が通らない場所にする、勉強する部屋にテレビやゲーム、マンガなど気を取られる物を置かないなどの工夫も必要です。
1-2 勉強時はヘッドセットをする
外から聞こえる話し声や車の音、風の音などが気になって集中できないケースもあります。そのような時は、ヘッドセットで音を遮断する方法がおすすめです。無音のほうが集中できる場合は、音を流さずに装着するだけにしましょう。その場合は耳栓でもOKです。静かなBGMを流したほうが集中できることもありますので、子どもの特性によって見極めましょう。音声で解説する教材やeラーニング教材なども、ヘッドセットをしたほうが集中しやすい子どもが多いようです。
1-3 一人の空間を作る
他の人の行動が気になってしまい、大勢の人がいる教室や図書館、家族のいる部屋では集中できないという子どももいるでしょう。その場合は一人になれる空間を作ってあげることが必要です。パーテーションなどで区切って一人の空間を作るのも有効でしょう。広い空間より、狭い空間のほうが落ち着くという場合も多いようです。
1-4 学習計画を立てる
いざ勉強しようとしても「あれをやろうかな、これをやろうかな」と迷ってしまい、何か一つのことに集中できないという子どももいます。そのような子どもには、事前に学習計画を立て、今日やる分が明確にわかるようにしてあげましょう。無理なくクリアできる計画を立てるのがポイントです。
2. 勉強の時間は短く区切り、集中できる時間単位で勉強させる
集中力のない子どもに、いきなり「1時間勉強しなさい」と言うのは無理な話です。その子が集中できる時間、たとえば10分でもいいので時間を区切って勉強させるようにしましょう。10分終えたら間に休憩を挟み、また10分勉強するといったリズムを作るのがおすすめです。休憩時間はおやつを食べるなど、子どもがリフレッシュできることをします。決められた時間集中することができたら、すかさず褒めてあげることも忘れないでください。また、休憩を取っても集中できなくなってきたら、他の教科をやったり、「5分だけやろうか」と提案したり、無理をさせすぎないようにしましょう。
休憩の取り方は下記記事も参考にしてみてください。
3.運動後の勉強はより集中できる
アメリカ・バーモント大学心理学教授ベッツィ・ホザ博士の研究論文によると、30分の運動をしてから勉強することで、子どもの集中力、注意力、モチベーションが上昇することがわかりました。
運動は有酸素運動で、激しすぎないものがいいようです。ジョギングやウォーキングでももちろんいいですし、子どもが好きなスポーツや体を使った遊びなどもよさそうですね。家庭学習をする時は、外で少し遊んでから始めるのがいいでしょう。
放課後等デイサービスの運動療育との関係性
運動後に勉強をするというのは、運動療育を実践している放課後等デイサービスにも取りいれられるのではないでしょうか。放課後等デイサービスでは、最初に宿題などの勉強を済ませ、その後、体を使った遊びをすることも多いようです。この研究結果から考えると、この順番を逆にしたほうが、勉強への集中力がアップするということになりそうです。
このように、集中力を上げるためにできることはたくさんあります。いずれも特別な道具や技術が必要なものではありませんので、すぐに実践することができるでしょう。いろいろと試して、子どもにとってベストな環境を見つけてあげてください。