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「うちの子はADHDと診断されたけど、落ち着きがないと同時にこだわりが強い部分もあるんです。これって本当にADHDなの?」
このような「発達障害の重複」は、発達障害の子どもを持つ親によくある悩みの1つです。

一見正反対の特徴だからこそ、それが重複した場合、周囲から理解を得るのが難しくなってしまうことが多いのです。

診断名にとらわれず、その子にあった適切な対応をするため、今回は「MSPA(エムスパ)」という評価尺度をご紹介します。

1. 「MSPA」ってなに?答えは「発達障害の要支援度評価尺度」!

「MSPA(Multi-dimensional Scale for PDD and ADHD)」とは京都大学の船曳康子先生が中心となって考案した、発達障害の特性の程度・要支援度の評価尺度です。

発達障害の特性について多面的に評価を行い、特性チャートにまとめることで、支援が必要なポイントを視覚的にとらえることができるのが特徴です。

発達障害や自閉症スペクトラムなどの障害は生まれ持った脳の障害です。
早い時期に適切な支援があれば、徐々に障害が目立たくなり当事者が生きやすくなっていくことも知られ始めました。

ですが、一括りに発達障害といっても障害は重複することもありますし、特性の現れ方も様々です。

例えば、ADHDと自閉症スペクトラム、学習障害、アスペルガー症候群などが複雑に絡み合っていることがあったり、ADHDひとつをとっても個人によって特性の現れ方は様々だったりします。
多動、多弁、衝動的な特性を持つ人もいれば、不注意で忘れっぽくぼんやりしている人もいます。

このように、発達障害といっても1人ひとり状況は異なります。
そのため、支援の方法や方向性もそれぞれ違ってきます。

当事者がどのようなことで困っているのか、何を苦手と感じているのかを正しく把握する必要があります。

「MSPA」の目的は発達障害かどうかの診断をすることではありません。
当事者の障害の度合いや困り感に対する「評価」を行い、どういった支援が必要なのかを個々に見極めるのが「MSPA」の役割です。

「MSPA」は主に以下の3点を知るために行います。

「MSPA」の3つの目的

  1. 本人の困り感の程度を評価する
  2. トラブルや困り感の原因となっている障害分野と、程度を知る
  3. 必要な支援はなにかを判断する

 
「MSPA」は2016年から保険適用となりました。
「MSPA」でわかった子どもの情報を、医師や療育関係者、保護者、学校の先生、保育士などで共有し、連携した支援を行うことが望ましいとされています。

2. 「MSPA」の特徴って?発達障害の特性を“視覚的に”把握できる!


「MSPA」では、発達障害の特性について以下14項目を使って多面的な評価を実施します。

「MSPA」の評価指標14項目

  • コミュニケーション
  • 集団適応力
  • 共感性
  • こだわり
  • 感覚
  • 反復運動
  • 粗大運動
  • 微細協調運動
  • 不注意
  • 多動性
  • 衝動性
  • 睡眠リズム
  • 学習
  • 言語発達歴

 
当事者や保護者から生活歴を聴取し、各項目での評価結果を特性チャートにまとめることで、発達障害の特性や支援が必要なポイントを視覚的にとらえることができるようになっているのです。
検査は当事者や保護者が困っていることや苦手としていることを回答する形式で行われます。

困り感や苦手なことを14の項目に分類しチャートを作成することで、個々の困難や特性、それに伴う必要な支援を視覚的に理解することが可能になるのです。

3. 「MSPA」は二次障害の予防になる?「MSPA」でわかった子どもの特徴をサポートに活用しよう

周囲の理解、適切な支援があれば、発達障害の子どもは徐々に自立に向かい、障害の特性が目立つことなく自信を持って生活することができます。

逆に、適切な支援を受けられなかったり、周囲からの理解がなされなかったりすると、「いじめ」に遭ったり、鬱や神経症などの二次障害が発生することもあります。

「MSPA」をもとに周囲が配慮すべきポイントの認識を共有し、これまでの認識のズレを振り返ることができれば、このような二次障害は防ぐことができるでしょう。

支援者や医療機関、学校の先生など、子どもに関わる人同士であっても認識の差はあるものです。
専門家や支援者の間でも、「MSPA」はわかりやすく認識共有を図ることができるツールとして大変有効だとされています。

支援者は「MSPA」の結果を元に、どのような場面でどういった支援が必要なのかを共有し、子どもをサポートしてあげましょう。

4. まとめ

今回は、発達障害の特性の程度と要支援度の評価尺度である「MSPA」を紹介しました。
医療機関や医者でなくとも、経験を積んだ支援者であれば評価が可能です。

一人ひとりの障害の特性や苦手なこと、困り感をしっかりと把握し、本当に必要な支援をすることが重要です。
それができれば、当事者は生きやすい日々を手に入れることができます。

的外れな支援は、ともすれば二次障害を引き起こし、当事者の人生を生きづらく悩み深いものにしてしまいます。

「MSPA」については、考案した船曳康子先生が『MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)の理解と活用』という書籍を発表しています。

保護者や支援者、医療・学校教育関係者は、この日本生まれの新しい発達障害の評価尺度について学び、心温かい支援をしてあげることを目指してみてはいかがでしょうか。

参考:京都国際社会福祉センター

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