「子どもに友だちが少ないかもしれない」「学校で孤立しているかもしれない」と感じたら、保護者としては心配ですよね。
友だちをつくることって、理屈ではない部分も多いので、どうサポートすればいいか迷います。
発達障害の子どもの場合、その特性が友だちづくりの妨げになってしまっていることもあります。
発達障害の特性がどんな影響を与えているのか、保護者ができるサポートはどんなものなのかをご紹介します。
目次
1. 発達障害の子どもに友だちができにくいのはどうして?
発達障害の子どもには、その特性により友だちができにくかったり、仲良くできなかったりする理由があります。
まずはどんな特性が問題になっているのかを見ていきましょう。
1−1. コミュニケーションが苦手
発達障害の子どもは、他人とコミュニケーションをとるのが苦手な傾向があります。
とくに、相手の気持ちを理解することが難しいため、会話が不自然になってしまいます。
冗談で「バカだな〜」などと言われたことを真に受けたり、例え話が理解できなかったり、表情を読むことができずに言葉通りに受け取ったり、長い話が理解できなかったりすることがあるのです。
成長するにつれ、子どもたちは友だちとより親密な話をして仲を深めていくものですが、発達障害の子どもは心と心を通わせるような会話がしにくいでしょう。
1−2. 社会性が乏しい
発達障害の特性の1つとして、社会意識が低いというものがあります。
想像力の発達が遅いため、周りに目が向かず、その場に合わせて行動することが難しいのです。
騒いではいけない場面で一人騒いだり、無神経な一言を言ったりして、友だちからは「空気が読めない子」と思われてしまう可能性があります。
友だちグループにうまくなじめず、孤立してしまうことが多いのです。
1−3. こだわりが強い
「こだわりが強い」というのも、発達障害の特性の1つです。
想像力の発達が遅れているため、物事を柔軟に考えるのが苦手です。
特に自閉スペクトラム症の子どもは、決められた通りに行動することで安心するため、例外を受け入れることが難しいのです。
そのため、友だちが少しでもルールと違ったことをすれば、ここぞとばかりに指摘し、得意げになります。
友だちや先生の意見を聞く耳を持たないので、付き合いづらい子というレッテルを貼られてしまいます。
2. 友だちとの付き合いをもっと楽にするには?
自分か相手、どちらかが我慢しなければならない関係では、本当に仲のいい友だちとはいえないでしょう。
どうすれば生きやすくなるかを考えると、自然と友だちとの付き合い方も見えてきます。
2−1. 人にわかってもらう前に自分のことをよく知る
「誰も自分のことをわかってくれない」と嘆きがちになってしまいますが、まずは自分が自分のことを理解できるよう、保護者はサポートしていきましょう。
障害を受け入れるのは簡単なことではありませんが、発達障害のうち、自分は特性がどのように現れているのか、何が問題なのかを学ばせることは必要です。
自分のことが理解できたら、どう行動すればいいかが見えてきます。
例えば、時間を区切って行動する、メモを活用して会話をする、具体的に話す、ルールを細かく決めるといった対策が取れるでしょう。
2−2. 常識を身につける
発達障害の特性による困難があっても、ある程度の常識を身につけておかないと、人とのトラブルが増えてしまいます。
小さい頃からの積み重ねが大事ですが、子どもに合った方法で常識を身につけさせる必要があります。
場の空気を悪くするような行動をとらないこと、正しいことはその場によって変わる場合があること、人の言葉を遮ってはいけないことなどを学ばせていきましょう。
わかりやすく絵にしたり、細かくルールをつくったりと、子どもに合った方法を早めに見つけてください。
2−3. 自分の感情をコントロールする方法を身につけよう
学校や、友だちと遊んでいるときにイライラしたり、不安になったりした場合、感情を爆発させてしまうとトラブルになります。
発達障害の子どもは感情をコントロールするのが苦手ですが、自分なりの方法で気持ちを落ち着かせる術を身につけておきましょう。
例えば、図書室や保健室に行く、好きな本を見る、手帳に落ち着くための言葉を書いておいてそれを見る、深呼吸をするなどが考えられます。
2−4. 無理に友達を増やそうとしない
他の友だちを見ていると、「たくさん友だちを作らなければならない」と考えてしまいがちです。
確かに、それは理想ではありますが、まずは無理なく、自分に合った付き合い方で友だちをつくることから始めましょう。
集団行動をするとストレスがたまる傾向があるので、少人数で、理解のある友だちと付き合っていくのがいいでしょう。
友だちは、無理に増やそうとして増えるものではありません。
良好な人間関係を築いていくことは、社会に出ても必要になることです。
焦らず、子ども自身も相手もストレスの少ない関係を築いていけるようなサポートが必要です。
まずは子どもの得意なこと、不得意なことといった特性をよく知るために、下記のような心理検査を受けることもおすすめです。