自分の子どもの様子が、何となく他の子どもと違う気がする…発達障害かもしれない、と思い不安な時はありませんか?発達障害への不安は、他の子どもとの差を感じた時、育てにくさを感じた時からスタートします。今回はそういった不安があった時、いつ、どんな場所へ相談したらよいのかをご紹介します。
目次
1. こんな行動があったら発達障害?
発達障害と言っても、その様子や特性はひとり一人違います。ですが共通する要素もあります。
例えば、
- なかなか泣き止まない、お昼寝をしない、夜も眠らない
- 偏食がひどい
- 同年代の子どもに関心がなく一人で遊んでいることが多い
- オウム返しをし、会話のやり取りがない
- 人見知りが激しい、または、人見知りがなく一人でどんどん行ってしまう
- 決まった遊びを繰り返すことを好む(同じDVDを見たがる、ミニカーを並べるなど)
- 衣類や出かける時の行動などにこだわり、決まったことの変化に弱い、パニックを起こす
- 視線が合いにくい
- 指をさして親に知らせず、親の手を持ってさそうとする
- 名前を呼んでも振り向かない、反応が遅い
など、本人が困っているわけではなく、周囲や保護者が「育てにくさ」や「コミュニケーションの取りにくさ」を感じることがあります。
周囲の子どもとのこういった違いは、1歳半から2歳を過ぎてくると目立ってくる行動でもあります。なんとなく「ちょっとウチの子は変わっているかも?」と思う程度です。
初めての育児だとこれらの違和感に保護者が気づかないことも多くあり、中には1歳半検診や3歳児検診で指摘を受けることもあります。
2. 発達障害の相談は何歳から可能?
発達障害かどうかは、日々の生活、周囲と本人の困り感をはじめ、病院で行う発達検査やテストなどで判断をしていきます。テストは1時間ほどかかるため、ある程度集中して話を聞けること、それなりに相手の言葉を理解できること、また、テストの時に親は同席できないので、一人でも検査を受けられること、が前提となります。
5歳は小学校へ入学する前の年齢です。就学前に発達障害かどうかをはっきりさせておくことで、入学後の対応が全く違ってくることから、発達障害を疑う時は遅くても5歳までには検査を受けましょう。
検査を受けることでその子どもの苦手としていることがはっきりと数値でわかるので、必要なサポートがわかり、保護者も育てやすくなります。また、専門家から育てるコツを教えてもらうこともできます。
発達障害かどうかの診断テストだけではなく、「育てにくさ」を感じる時に相談できる窓口もあります。
相談には何歳からという決まりはありません。発達障害かどうかは、小さな時ははっきりとわかりにくいものですが、育てにくい子どもへの関わり方や、保護者が気を付けることを教えてもらうこともできます。
そして、関わり方について継続的に相談をしていくこともできるので、適切な情報を得られる関係機関を紹介してもらうこともでき、親子で安心した生活を送ることができます。
3. 発達障害の相談前に準備しておくことは?
相談する前に、準備しておけることとはどんなことでしょうか。
それは「成育歴」をつづっておくことです。成育歴と言っても難しいことはなく、いわば育児日記のようなものです。
生まれた時の体重や、出産の様子、ミルクの飲み方、お昼寝やコミュニケーションについて、自立できていないことを記録しておきましょう。
また、気になる行動、保護者が困ったこと、疑問に思っていること、子どもが苦手としていること(大きな音・初めての場所・人がたくさんいる場所)などを特筆しておくことも相談時の面談に大変役に立ちます。
こういった成育歴については、発達障害の相談以後も入園・入学・通院とあらゆる場所で質問されるので、成長するごと・気になることが増えるごとに加筆し、記録に残したものを提出できるようにしておくことが大切です。
保護者自身も関わり方に疑問を持った時に振り返ることができるほか、子ども自身の成長を感じることができます。
4. 発達障害は具体的にどこに相談すればいいの?
相談する場所については暮らしている街によって違いますが、大きく分けると下記などになるでしょう。
- 市町村の保健所、市役所
- 保育園、幼稚園、学校
- 病院
- 町が設置している発達支援センター
- 民間の発達支援施設、放課後児童デイサービス
発達障害の検査については病院で受けることが多く、その後のケアや投薬、親子でのコミュニケーション指導(ペアレントトレーニング)につながっていきます。
相談機関については、発達障害の可能性や当事者の傾向を教えてもらうことはできますが、はっきりした診断を頂けるのはやはり病院になります。
その後、福祉サービスや相談窓口、幼稚園や保育所・学校と連携を取っていく形です。
5. 発達障害の相談に関するまとめ~ちょっと気になる、その時が診断のタイミング~
「発達障害なのでは?」と悩み、周囲の人に話してみると、「ウチもそうだよ?子どもの個性じゃない?成長はひとり一人違うからね」といった言葉を聞くこともあるでしょう。その言葉で不安を打ち消し、発達障害の相談を後回しにしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、もし早い段階で発達障害だとわかれば、様々な手を打つことができるのです。早く診断を受けることで、子どもの未来が変わっていくのです。
小学校へ入学する前に適切な関わりや支援、心がけをすることで何もせずにいるよりもかなりの変化と成長があります。
発達障害があるかもしれないと悲観的になるのではなく、お子様が生活しやすい環境をいち早く整えていくようにしましょう。
辛いのは本人だということを忘れず、迷ったらまず相談機関や病院へかかってみることをおすすめします。