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知的障害 発達障害 違い「知的障害って発達障害と違うの?」と疑問に思われたことはありませんか?

発達障害は古くから存在したにもかかわらず、医師をはじめ社会的に認識されるようになったのは20世紀以降のことで、その歴史は世界的にもまだまだ浅い状況です。
1963年、アメリカにおいて「developmental disabilities=発達障害」という記述がされたことが、発達障害というワードが世の中に登場するきっかけとなる出来事でした。発達障害 いつから

それまでは、医学の分野でも発達障害の症状は知的障害に含まれるものとして、区別されることはありませんでした。
そのため今の現代社会では、幼い頃に発達障害という診断を受けないまま大人になって生活をしている方が実はたくさんいるのが現状です。
今でこそ認知されてきた発達障害ですが、知的障害との明確な違いやその特徴の理解など、その認知度はまだまだ低いと言えるでしょう。
そこで今回は、知的障害、発達障害それぞれの特徴を例にあげ、わかりやすく理解できるようご説明していきます。

1. 知的障害とは?

障害には大きく分けて、「体に障害がある身体障害」と、「身体以外に障害があるケース」に分けることができます。

障害 種類身体以外の障害は広い意味で「精神障害」とされ、心や精神ではなく脳の機能に障害があることが原因ではと考えられています。
知的障害、発達障害も脳の機能による障害、というポイントにおいては共通していますが、その症状にははっきりした特徴の違いが見られます。

知的障害の診断基準

知的障害は知的能力障害群、精神遅滞とも呼ばれ、同年代と比較した時、成長の遅れが全般的に著しく現れていることが特徴です。
成長 比較日常生活を送る上で、読み書き、数の計算など頭を使う能力や、物事を決断する判断が難しく、自分自身の金銭管理などにも支障をきたすことがあります。
普通学級の授業には、理解が乏しくついていけない場合が多いでしょう。

知的障害の場合、診断を確定する際には知能(IQ)テストが行われます。
その結果により、IQ70以下をボーダーラインとし、どの段階に該当するかによって4つのレベルを分類することができます。
さらに、a〜dの4つに日常生活能力を分類し、aのレベルに近づくほど自立した生活への難易度が高いというように示されています。

  • 最重度知的障害(IQ~20) :言葉でのコミュニケーションは難しく、接する側が気持ちを読み取ることで気持ちを理解するような状況です。日常生活のほぼ全てにおいて支援や援助を必要とします。
  • 重度知的障害(IQ21~35):コミュニケーションだけでなく、言葉を文章としてスムーズに話すことにも困難があり、日常生活での自立は難しい状況です。言葉の意味や数の概念などの理解が難しく、言葉は単語を並べての幼稚な表現になっていることもあります。
  • 中等度知的障害(IQ36〜50):相互的な対人コミュニケーションにできないことが多く、生活能力にも制限がある状況です。特に常識的な判断や行動の理解が不足しており、大きな金額の契約などに特に注意が必要で、金銭面の管理が困難なため支援を必要とします。
  • 軽度知的障害(IQ51〜70):読み書きや計算が苦手。その他人と接する場合、コミュニケーションに困難を感じる場面はありますが、日常生活では自分自身のことはおおよそ出来ることが多いといった状況です。出来ないことや苦手なことは支援を受けて生活しているケースが多いようです。

知的障害の診断は、あくまでも検査の数字だけの判断ではなく、日常生活においてどの程度の理解ができるか、日常生活を送るための能力、社会への適応性なども基準になり、ほとんどの場合18歳未満までに確定されます。

厚生労働省の「知的障害者の基礎調査」によると、知的障害の診断を受ける時期で最も多いのが、出生直後から小学校入学前までの期間であり、全体の半数以上の割合を占めています。
理解力、判断力、思考力、記憶力、知覚などの面で全般的に遅れがあるのが主な症状です。

次に、知的障害の幼少期の段階で見られ始める症状の例を、もう少し具体的にあげていきましょう。

・言葉の遅れ

親が子供の成長段階で、初めて気がつくタイミングとして多いケースが「言葉の遅れ」です。
話し言葉として、文章のつながりを話せる時期になっても単語だけを並べて言葉を発することが多いのが兆候です。

・自分のことができない

幼稚園や保育園にいく頃になると、自分でご飯を食べたり、着替えをするなどができるようになりますが、知的障害がある場合、自分自身のことをできるようになるまで、とても時間がかかります。

・記憶力が低い

一度にいろいろなことを伝えると、その一部のことしか記憶に残らず、忘れ物をしやすいことも特徴です。
また注意をされるとパニックを起こしてしまうこともあります。

・心の成長の遅さ

年齢に合った行動ができず、いつまでも幼稚な行動や思考のままのケースも多くみられ、感情をコントロールすることに困難を感じやすいのも特徴です。

2. 発達障害とは?

発達障害とは発達障害には自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)など、その症状によってさらに分類され、脳機能に障害があることが原因なのではと言われています。
はっきりとしたことはわかっていませんが、育った環境や親の接し方などがきっかけではないことはわかっています。
生まれ持った脳の機能に障害があることで、出来ること、出来ないことにさまざまなデコボコが生じてしまい、生きづらさを感じたり、壁にぶつかってしまうような困難が起きやすくなっているようです。

2-1. 発達障害の種類

いくつかの種類に別れる発達障害ですが、それぞれのタイプの特徴を簡単にあげていってみましょう。

・自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症 こだわり自閉症スペクトラム(ASD)には、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などが含まれており、100人に1〜2人の割合で、男性の方が女性よりも多く存在しています。
コミュニケーションを取ることが困難なため、対人関係でトラブルが起きやすいのが特徴です。
また強いこだわりを持った性格であり、偏った趣味を持つ傾向にあります。興味があることには、周りが見えなくなるほど夢中になり、行動パターンも限定的な形を好みます。
そのため、突然のトラブルや状況の変化、初めて訪れる場所や初対面の人などに適応することが難しいケースが多くみられます。

・学習障害(LD)

学習障害知能全般には遅れなどがなく、能力にも問題がないにもかかわらず、読み書き、計算などのある特定のことに大きな困難を感じるのが学習障害(LD)です。
文章を読むことがスムーズに出来ず、語尾などが不正確になってしまったり、接続詞を正しく使えないなどの読字障害や、文字を書くことが不正確でミスが多い書字障害、計算やグラフなどに困難をきたす算数障害といったタイプが存在します。

・注意欠陥多動性障害(ADHD)

ADHD多くは7歳前後までの間に現れ、年齢に合った落ち着いた行動や注意力に欠けているのが注意欠陥多動性障害(ADHD)です。
じっとしていられず歩き回ってしまう、順番を待てない、衝動的な行動に出てしまうなどが特徴です。
そのため人の話を最後まで聞けずに答えてしまったり、思ったことをすぐに口にしてしまう、忘れ物が多いなど集団生活や対人関係でのトラブルが起こりやすいことが特徴です。

2-2. 発達障害の診断基準

発達障害 診断 基準発達障害は、その診断基準として世界保健機構(WHO)の定めたICD-10や、アメリカ精神医学会の定めたDSM-Ⅴなどを用いることが一般的です。
日本は厚生労働省の場合ICDを使用していますが、医師はこれらの診断基準を参考にしながら問診により診断をしていきます。
場合によっては頭部のCTや血液検査などを行う場合もあり、これは発達障害と似た症状が現れる病気の疑いがある場合に行われます。

また他の精神疾患の可能性や、その後の支援計画の方向性を見るために心理検査をする場合もあります。
心理検査の結果から出来ること・出来ないことの凹凸のバランスや、IQの数値を知ることができます。

3. 知的障害と発達障害との違い

知的障害、発達障害のそれぞれの特徴を詳しくみてみると、その違いが明らかになったかと思います。知的障害 発達障害 違い数値としての基準はIQ70という数字が、1つのボーダーラインとなっていました。

また、知的障害が知力に関わる全般的な能力に制限があるのに対し、発達障害は知的能力が高いものもあれば、低いものもあるという凹凸が見られることが大きな違いと言えるでしょう。
知的障害の場合、重度になると合併症の可能性も考えられます。

知的障害と発達障害は、原因としてはっきりとした特定ができないのが現状ですが、現段階で考えらえる要因の視点からも違いがあることがわかります。知的障害 発達障害 原因発達障害は何らかの脳の機能の障害であることに対し、知的障害は出生前、出生後の原因としていくつかの要因の可能性があることがわかっています。
出生前の要因としては、遺伝子の疾患、先天性の代謝異常、脳形成異常、ボテ胃疾患、アルコールや薬物による影響などがあげられます。
また出生後の要因としては、低酸素性虚血性傷害、外傷性脳損傷、けいれん性疾患のほか、いくつかの原因となる事項が考えられています。

また知的障害が発達期(概ね18歳未満)までに確定されるのに対し、発達障害は広汎性発達障害が1歳を過ぎた頃から、学習障害(LD)は小学校の学童期、注意欠陥多動性障害(ADHD)は7歳頃までが兆候が現れるといった状況から、時期による違いも示すことができるでしょう。

このように両者の違いを見ていくと、知的障害に比べて発達障害の場合、自分自身はもちろん周囲の大人たちも気付きにくいのではということが懸念されます。発達障害 気づかない全般的に出来ることが多かったり、知能にも問題がないことから、できないことに対して本人の頑張りが足りないとか、親の育て方の問題などといった間違った視点から考えてしまいやすいのです。
そのため支援を受ける時期が遅くなってしまったり、本人へのストレスや負荷が重くのしかかかってしまう可能性を忘れてはいけません。

4. 知的障害を伴う発達障害と知的障害のない発達障害について

知的障害と発達障害には、症状の特徴に大きな違いがあることがわかりました。
しかし現実的には、知的障害を持つ方の場合、発達障害の症状が混在して現れているケースが多いのが現状です。知的障害 発達障害 混在

また、発達障害のある方の場合、知的障害が現れるケースはあまり多くはありませんが、少なからずケースとしてはありえます。
その症状や様子には個人差があり、10人いれば10通りの障害の現れ方や特徴が存在します。
知的障害と発達障害の特徴を1つひとつ見ていくと、知的能力の違いの出方にはっきりとした違いがあるにもかかわらず、実際にはどちらの特徴も併発しているケースがあるため、知的障害と発達障害のはっきりとした区別の認識が難しくなっているのです。
そのため、医療の視点では、知的障害と発達障害を大きく括って精神障害という分野で捉える場合も多いようです

このように識別が難しいとされている知的障害と発達障害ですが、先述のとおり、発達障害は必ずしも知的障害を伴うものではありません。このことをわかりやすく説明すると、次のような図になります。知的障害 発達障害 図

★学習障害(LD)の場合は、知的障害を伴わない上である特定の分野の学習に困難があるということが前提のため、知的障害と学習障害が混在することはありません。

図のように分類することで、わかることをまとめてみましょう。

4-1. 知的障害がある場合のパターン

  • 知的障害のみの症状がある
  • 知的障害があり、自閉症スペクトラム(ASD)も伴っている
  • 知的障害があり、注意欠陥多動性障害(ADHD)も伴っている
  • 知的障害があり、さらに自閉症スペクトラム(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)の両方を伴っている

4-2. 発達障害のみの場合のパターン

  • 自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)のうち、どれか一つのみの症状がある
  • 自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)のうち、どれか2つの症状がある
  • 自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)のすべての症状がある

5. まとめ

知的障害と発達障害の違いを考えると、症状の出方の個人差や、双方を併発する場合など様々なケースがあることがわかりました。
しかし知的障害、発達障害において共通して考えられることとして、社会への適応能力やストレスへの対処能力が低いことがあげられます。ストレス耐性 低い困難が積み重なることで、問題行動をとってしまったり、引きこもりや不安定な精神症状になるなど、さらなる二次障害を招いてしまう恐れがあることを意識しておきましょう。
早い段階で公共機関や行政の支援を受け、普通学級に困難があれば特別支援学校を選ぶなど、障害の状況に合った学習環境を整えてあげることは大きなプラスになるはずです。
親としては我が子の将来を心配する故に、焦りや迷いを感じる日々を送る中で、一人で抱え込んでしまうこともあるでしょう。
しかし、社会には専門医、支援機関の保健師や支援者、学習環境を支える教師など、子供の将来をサポートする資源はたくさんあります。
診断結果だけにとらわれず、周囲と連絡を密に取るなかで、子どもの得意なこと、良い部分をしっかりと伸ばし、自信を重ねて歩んでいけるよう見守っていきましょう。

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