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「人に嫌われていると思い込んでしまう」「人前で恥をかくのが怖い」「失敗したときが恥ずかしくて積極的になれない」。
これらは誰にでもある感情です。特に積極的に人前に立つのが苦手な日本人にありがちな性格パターンです。

しかし、こういった感情が強すぎてしまうとどうなるでしょうか。
学校でクラスメイトの輪に入って行けない、授業中に発言できないなど、消極性が過度に際立ち、社会生活に支障をきたしてしまうかもしれません。

このように過剰に失敗を恐れ、不安ばかりを強く感じてしまう人格を「回避性パーソナリティ障害」といい、現代医学ではその治療法や克服の仕方の研究が進んでいます。

ここでは「回避性パーソナリティ障害」について知識を深め、発達障害との因果関係などについても触れていきたいと思います。

1. 「回避性パーソナリティ障害」とは?対人関係を極端に避ける事


失敗や傷つくことを恐れるあまりに、人との接触を極端に避けようとすることを「回避行動」といいます。

この習性は幼児期から始まり、内向的な性格として発現することから始まりますが、学校や社会での様々な経験の中でその傾向は薄れていくことがほとんどです。

しかし、「回避性パーソナリティ障害」を発症してしまうと、成長と共に内向的な部分が際立ってしまい、人と関わることを避ける傾向が強くなってしまいます。

人間関係の構築に強いストレスを感じると、閉鎖的な環境を好むようになり、何をするにも面倒になったり、無気力になったりといったパーソナリティが形成されやすくなります。

さらに、新しい人間関係を築く機会があっても相手に受け入れてもらえるという確信が持てないことから、自然と初めての場所や環境が億劫になり、引きこもりがちになるケースもよくあることです。

このように歪んでしまった人格を持つ障害をパーソナリティ障害と呼びます。
極端な思考と行動が繰り返されることが特徴
です。

アメリカ精神医学会の「DSM-5」(「精神疾患の診断・統計マニュアル」第5版)によると、パーソナリティ障害のパターンは下記のようにA~C群の3つに分類されており、「回避性パーソナリティ障害」はC群に該当します。

<パーソナリティ障害のパターン>

  • A群:奇妙で風変わりな人
  • ・猜疑心パーソナリティ障害…極度の猜疑心から他者に疑いや悪意を強く持つ
    ・シゾイドパーソナリティ障害…他者と親密になることを嫌い、社会からの離脱し一人を好む
    ・統合失調型パーソナリティ障害…人との親密な関係において落着きのなさや、強い緊張を感じ奇妙な行動をとる

  • B群:演技的・情緒的・移り気な人
  • ・反社会性パーソナリティ障害…他者の権利や法律の規範を侵害し、無責任な行動をとる
    ・境界性パーソナリティ障害…対人関係が極端に不安定。衝動的に他人をほめたりけなしたりする
    ・演技性パーソナリティ障害…常に自分が注目されていたい欲求が強く、極端に情動的な行動をとる
    ・自己愛性パーソナリティ障害…自分を過大に評価、賞賛されたい欲求が強く、極度な成功や権力を望む

  • C群:不安・恐怖にとらわれすぎている人
  • ・「回避性パーソナリティ障害」…他者からの非難、批判、失敗などを強く恐れ、必要な対人関係から回避する
    ・依存性パーソナリティ障害…過度に他者に依存する欲求が強く、離れることができない
    ・強迫性パーソナリティ障害…完璧主義で細かい、目の前のことなどにこだわりすぎて目的が達成できない

このような感情や症状は誰もが少なからず持ちあわせているものですが、それがあまりに極端に特出しすぎることでスムーズに社会生活を営むことができなくなり、対人関係などに困難が生じてしまうのが各パーソナリティ障害の特徴です。

C群に分類される「回避性パーソナリティ障害」がを抱える人は、人口の0.5~1%程度といわれ、精神科や心療内科で精神療法、薬物療法などの治療が施されています。

自分は受け入れてもらっているのか、他人よりも劣ってはいないか、何かにチャレンジしても失敗してしまわないか、などの感情に囚われて神経をすり減らしてしまっている人に対し、その複雑に絡み合った感情の糸を丁寧にほぐすような治療をしていきます。

その場しのぎの治療ではないので時間はかかるものの、「不安や恐怖はあってはならない」という強い固定観念を捨て、あるがままを受け入れるという方法で、本来の自分のままでいいという感覚を少しずつ身につけていきます

2. 「回避性パーソナリティ障害」の原因は?発達障害の二次障害の場合も


「回避性パーソナリティ障害」になってしまう原因とは、一体どのようなものなのでしょうか。

親や親戚などからの遺伝的要素についてははっきりとは解明されていないものの、内気な性格や、不安の感じやすさといった元々持ち合わせた性格については遺伝的要素のひとつと言えるかもしれません。

しかし、生まれつき活発で積極性のある子どもでも、家庭環境や成長の過程で「回避性パーソナリティ障害」を発症するケースもあります。

また、このような遺伝的要素や環境的な要因の相互関係に加え、発達障害との関係性も見過ごしてはなりません。

発達障害の子どもは、周囲の子どもたちとの関わりがうまくいかず、自分を理解してもらえずに生きづらさを感じる日々を過ごすことが多いでしょう。

その中で自然と自信がなくなってしまい自己効力感が低くなることから、周囲との関わりを避けてしまうといった傾向に陥る可能性もあるのです。

とくに周囲からの冷ややかな視線や心無い言葉によって傷つけられてしまったら、心はどんどん内側に閉ざされ、閉鎖的な環境に落ち着きを感じてしまうのも無理はありません。
このように、何らかの特性をもった発達障害の子どもに対して、親子関係・学校の環境など環境要因が重なり合うことで、「回避性パーソナリティ障害」を引き起こすこともあるのです。

子どもの個性や嗜好を無視した習い事や学習を押し付けたり、心配するあまりに過干渉になったりしてはいないか、いま一度親子の関係を冷静に見直すことが大切です。

3. 「回避性パーソナリティ障害」かも?と思ったら早めの相談がポイント

「回避性パーソナリティ障害」は、はっきりした原因は不明ですが、本人を取り巻く環境や他人から受ける影響に左右されるということがわかりました。

特に発達障害を持つ子どもにとっては、対人関係がスムーズにいかないことや、失敗経験を多く重ねることの二次障害として「回避性パーソナリティ障害」を引き起こす恐れがあり、そういった傾向がみられた際には素早い対応が必要となるでしょう。

一人で悩まずに、まずは行政の専門機関や心療内科などの専門医の元を訪ねてみましょう。
また、学校のスクールカウンセラーに相談し、担任の先生とも連携を取りながら子どもにとってストレスの少ない環境を作ることも大切です。

「回避性パーソナリティ障害」を持つ子どもにとってストレスの少ない環境とは、等身大の自分でいられること、自分を受け入れてくれるという確信をもてる環境のことです。

安心できる環境の中で、失敗を繰り返すことも成功につながるのだという体験を繰り返し、チャレンジ精神を持てるように、子どもの主体性や個性を尊重しながらサポートしていきましょう。

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