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「周りの子どもと比べて落ち着きがない」、「小学校の授業に集中できない」といった子どもの性格から、発達障害の1つであるADHD(注意欠陥/多動性障害)かもしれないと、不安に思われる方もいるかもしれません。
ただし、このような特徴は、「性格」なのか「障害」なのかはっきりとした境界線を引きづらいことがあります。
そのような子どもは、障害があっても軽度でありはっきりと診断が付けられないため、「グレーゾーン」と呼ばれます。
今回は、ADHDの「グレーゾーン」の子どもについて、特徴からリスク、援助方法について紹介します。

1. ADHDの「グレーゾーン」とは?

ADHDとは代表的な発達障害の1つです。
まずは、ADHDの特徴と「グレーゾーン」とはどのような場合を言うのか解説します。

1-1 ADHDの子どもの特徴は?

ADHDは以下の3つの代表的な特徴があります。

代表的な特徴具体的な例
1.不注意忘れ物やなくし物が多い、散らかす、同じ間違いを何度もする
整理整頓ができない、他のことに気が散りやすい、ボーッとして話を聞かないなど
2.多動性じっとしていられない、おしゃべり、手足をバタバタするなど
3.衝動性順番が待てない、すぐに手が出る、人が話す途中で割り込むなど

これらの症状が見られる原因は未だにはっきりと解明されていませんが、脳の集中や衝動などを調整する前頭前野(ぜんとうぜんや)と呼ばれる部分が先天的にうまく働かないためとされています。

1-2 ADHDの「グレーゾーン」ってどういうこと?

発達障害がない場合でも、人によって脳の働きには個人差があります。脳の働きの障害とされるADHDも同様で、障害の程度や症状に大きく個人差があり、障害の程度が少なかったり、症状が目立ちにくかったりすることもあります。そのため、ADHDの傾向はあるものの、はっきりとした診断がつかないまま、普通の子どもと同じように過ごす場合も少なくありません。
そのような、ADHDの症状があるものの、診断がはっきりしない場合を「グレーゾーン」と呼んでいます。
幼児期に特に診断も受けていないため、小学生になって普通の学級に通っているものの、「他の子と比べて落ち着きがなく先生にいつも注意される」、「宿題や学校の準備などができない」といった困難さが生じてしまうことがあります。

1-3 自分の子どもは大丈夫?ADHDの特徴をチェックしてみよう

最初に紹介したようなADHDの3つの特徴を日常生活での具体的な動作や言動に結びつけることで、ADHDのチェックができます。
ADHDの診断基準として使用される「精神疾患の分類と診断のマニュアルと基準(DSM-5)」をもとに、チェックリストを作成しましたのでぜひ試してみてください。

1.注意力に関するチェック
・細かいところに気づかずケアレスミスが多い
・注意を続けることが難しい
・上の空でボーッとしている事が多く話をきちんと聞けない
・指示通りに宿題などの課題ができない
・整理整頓ができない
・努力を続けるような課題ができない
・忘れ物をしやすい
・周りの刺激に気が散りやすい
・日々の日課を忘れてしまう
2.多動性や衝動性に関するチェック
・席に座っていても手足を動かす、もじもじするなど落ち着かない
・席に着く場面でも席から離れる
・場にそぐわないタイミングでも走り回る
・静かに遊んだり休んだりできない
・衝動的に動いているような場合が多く、じっとしていられない
・しゃべりすぎる
・質問や人の話が終わる前に自分の話を始める
・順番待ちができない
・他の人の邪魔をしたり割り込んだりする

以上のような項目に多く当てはまる場合は、ADHDの傾向が強いとされますので、専門家へ相談する目安にできます。

2. ADHD「グレーゾーン」の子どもたちは増えている

ADHDの「グレーゾーン」の子どもたちは年々増加していると言われています。
2012年に文部科学省が調査した「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」によると、知的な発達に遅れないものの、学習面か行動面で困難を持つ児童の割合は、6.5%とされています。つまり、30人の学級では2名程度「グレーゾーン」の児童が含まれていることになります。
2013年に行った補足調査では、現状は6.5%という結果よりも多いと思う教員が少なくないという結果も出ています。
比較的軽度の発達障害の子どもが通う「通級指導教室」におけるADHDの子どもの数は、2008年は2,626人であったのに対し、2018年は18,135人と、およそ7倍にも増えています。以上のように、ADHDまたは「グレーゾーン」の子どもの数は年々増加傾向にあります。

3. ADHD「グレーゾーン」の二次的な被害

ADHDの「グレーゾーン」である子どもは、特に障害があるとされず、通常の子どもたちと同じような教育を受けて大人になることも少なくありません。しかし、社会生活において弊害が生じて、生きづらさを抱えてしまうことがあります。
そのような、ADHD「グレーゾーン」の二次的な被害とはどんなものがあるのでしょうか。

3-1 ADHD「グレーゾーン」に気づかないまま大人になるのはリスク

ADHDの「グレーゾーン」に気づかないまま大人になってしまうと、社会生活に支障をきたす可能性があります。
なぜなら、「グレーゾーン」の場合、障害が軽度であることが多く、基本的な日常生活は問題なく行えるため、周囲のサポートや理解が得られにくいからです。知的な発達の遅れもなく、高学歴であったり、一流企業で働いたりする場合もあります。
その結果、周囲から「頭はいいのに協調性がない」、「高学歴なのに単純なミスが多い」などの偏見を持たれてしまいます。
自分自身でも障害による症状だと気づかないため、人間関係や仕事でのトラブルが解決できないこともあります。
そのため、周囲との関係を避けたり、仕事をやめてしまったりすることに繋がります。
そして、自分を責めて、否定してしまうことで、自分の存在意義や価値を認めるといった自己肯定感を失い、うつ病やひきこもりになってしまうといった、二次的な被害が生じてしまうのです。

3-2 ADHD「グレーゾーン」に気づいてあげることが大切

前述のような、「グレーゾーン」による二次的な被害が生じないためには、早い段階で、「グレーゾーン」であると気づいてあげることが大切です。
2015年に文部科学省が報告した、「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する支援事業報告会」においても、児童の学年が上がるに連れて、発達障害による問題が複雑になってくるため、早期発見・早期支援が重要であるとしています。最近では、発達障害は以前のように「アスペルガー症候群」や「自閉症」など、1つの障害としてはっきりとした診断ができない場合も多く、程度にも差が大きいため、それぞれの特徴に合わせた支援が必要であるとされています。「グレーゾーン」も同様、1人ひとりの特徴に合わせた支援をすることで、社会での生きづらさを解決する方法を見つけることができます。
放課後等デイサービスなど、「グレーゾーン」の子どもでも1人ひとりに合わせた支援、いわゆる「療育」を受けられる施設なども増えています。早期に「グレーゾーン」に気づいてあげることで、早期の療育を受けることも可能になります。

4. ADHD「グレーゾーン」の子どもへの適切な援助とは

ADHD「グレーゾーン」である場合、子どもの頃からしっかりと気づいてあげるとともに、適切な援助をすることで、生きづらさを解消することができます。ここでは、ADHD「グレーゾーン」の子どもへの適切な援助・支援の方法をご紹介します。

4-1 自己肯定感を低下させない!叱り方の注意点

大人になった時に自己肯定感の低下が二次障害を招きやすいことを紹介しましたが、子どもでも同様です。
「集中できず宿題ができない」、「言われたことをすぐ忘れる」などで叱られてばかりでは、自己肯定感が低下して不安から症状がひどくなったり、うつや不登校などの二次障害につながったりします。
そのため、悪い行動でも、くどくど叱ったり、感情的に叱ったりすることはNGです。
子どもが意図的に「しない」のではなく、「できない」ということを理解して、できるだけ叱らず見守ってあげるようにしましょう。叱る場合は、大切なポイントを端的に伝え、たとえその場で理解していなくても、叱り続けないようにしましょう。

4-2 成長を促す!効果的な褒め方

ADHDの子どもは、叱るより意識的にほめることが、成長を促すことに繋がります。
以下にほめるときのポイントを紹介します。

<褒める際のポイント>

  1. できたらすぐにほめる
  2. 頻繁にほめる
  3. 言葉だけでなくわかりやすくほめる

以上のようなほめ方をスムーズに行う方法として、小さな目標を設定して、スモールステップで目標を達成していくことがおすすめです。ADHDの子どもは気が散りやすく、例えば「宿題をする」ときも、なかなか宿題を始めることができなかったり、すぐに他のことに興味がうつってしまったりします。そこで、「◯時に宿題を始める」という目標を設定して、例え数分で他のことに興味が移っても叱らず、すぐに始められた点をほめてあげます。次は「1ページする」や「5分続ける」というように具体的で達成可能な目標を設定して、できたらすぐほめるというようにしながら、少しずつ課題を達成していくようにします。
また、わかりやすくほめる工夫として、ポイント制度を導入するのも効果的です。スモールステップで作った目標を達成したときに、ポイントをご褒美としてあげる方法です。ポイント制度を活用することで、子どもでも分かりやすいご褒美ができて、課題をする動機づけや意欲の向上につながります。ポイントを貯めて、「欲しいもの」や「やりたいこと」と交換できるようにすれば、目標に向けて取り組む力や我慢する力をつける練習にもなります。

4-3 自分で「できる」をつくる!子どもにも分かりやすいリスト化

ADHDの子どもは、注意力不足による忘れっぽさやうっかりミスが目立ちます。
そこで、日常生活でしなければならない行動や日々のスケジュールなどをリストにまとめて、見えるようにしてあげることで、気づきやすくしてあげましょう。
例えば「朝の準備」や「寝る前にやること」などをチェックリストとして作り、自分で気づけるようにします。先程、褒める方法で紹介した、目標設定やポイント制もリストにしてあげると、より効果的です。「〇〇したら3ポイント」、「◯◯ポイント貯めたらおもちゃと交換」など、リストとして確認できるようにすれば、子どもも理解しやすく、モチベーションも上がりやすくなります。

4-4 我慢力を鍛える!「待つ」の練習

衝動性があり、待つことが苦手な場合は、待つことを練習する必要があります。待てないからと言ってきつく叱ったり、何度も繰り返し叱ったりしないように注意しましょう。「〇〇してはだめ」というのではなく、「〇〇しようね」と肯定的に伝えて、なぜ待たなくてはいけないのか、待つことで周りの人がどう思うかをわかりやすく説明してあげましょう。例えば、給食を貰う順番を待つことに対して、「給食を配りやすくするために順番を待つ」、「順番を待てば先生にいい子だと思ってもらえる」というように待つことに対する具体的な説明をしてあげます。
待つ前にどれくらい待つ必要があるのかを伝えて安心させたり、ポイント制で待つことへのごほうびを提示したりすることも良いでしょう。タイマーや砂時計などでどれくらいの時間待つ必要があるのか、日頃からトレーニングしておく方法もあります。カップラーメンや電子レンジなど時間がはっきりわかるような料理をするのも「待つ」ことを練習する1つの方法です。

5. ADHD「グレーゾーン」に関するまとめ

ADHD「グレーゾーン」の子どもは、その特性に気づかず大人になり、生きづらくなってしまうことも少なくありません。しかし、早期に発見して、適切な支援を受けることで、生活に必要な力を育むことができます。また、早くから自分の特性を知り、コントロールする力を身につけることで、社会生活を送る工夫も身につけることができるでしょう。
「もしかしたらグレーゾーンかも…」と不安な場合は、遠慮せずに専門機関に相談して、一人ひとりにあった支援や教育を受ける一歩を踏み出してみましょう。

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