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発達障害を持つ子どもは、勉強に対してさまざまな問題を抱えています。
そのため、塾や家庭教師、紙の通信教材といった勉強法が合わないケースも多いようです。

そんなときは、パソコンやタブレットを使った教材(eラーニング教材)がぴったりと合うこともあり、試してみるのがおすすめです。

また、発達障害でよく用いられる知能検査「WISC」を受けたことがある方は、「図やイラストなどの視覚的な情報を添えながら伝えるとよい」といった診断者からのコメントを目にしたことがあるかもしれません。発達障害の症状に注目し、パソコン・タブレット教材のどんなところが適しているのか、またどんな教材があるのか、その種類と特徴を比較検討していきましょう。

1. 発達障害の子どもにタブレット教材がおすすめな理由

脳の機能障害である発達障害は「ASD(自閉スペクトラム症)」、「ADHD(注意欠陥多動性障害)」、「LD(学習障害)」の3つに分けられます。

障害によってさまざまな症状があり、勉強にも大きな問題をもたらしています。
その問題を教材がどのようにカバーしていけるかを順に考えていきます。

1-1  発達障害の特性によって異なる勉強への問題点

まずは発達障害の特性ごとに、勉強に対してどんな問題を抱えているのか整理していきましょう。
どの症状が出るかは個人差があり、一概には言えませんが、下記のような問題があると言われています。

【ASDの子どもが抱える勉強への問題】

  • 自分の気持ちを伝えるのが苦手なので「わかりません」や「教えてください」が言えない。
  • 集団行動が苦手なため、集団授業についていけない。グループワークが苦手。
  • 言葉や文字になっていないものを推測する力が弱く、想像力を問われる問題が苦手。
  • 特定のものに対する執着が強く、それ以外の物事がなかなかできない(不得意分野の勉強をしたがらない)。
  • 予想外の出来事に対応できないため、応用問題が苦手だったり、抜き打ちテストに対応できなかったりする。

【ADHDの子どもが抱える勉強への問題】

  • 静かに授業を受けたり、問題を解いたりすることができない。すぐに席を立ったり、おしゃべりをしたりしてしまう。
  • 周囲のさまざまなものに気を取られ、思考が次から次へと移り変わってしまい落ち着かない。
  • ワーキングメモリが不足しているため、授業で習ったことを覚えられない。
  • ケアレスミスが多く、問題を間違えてしまう。

【LDの子どもが抱える勉強への問題】

  • 漢字の部首など、文字のパーツを覚えられない。
  • 聞き取ったことや考えたことを文字に変換することが苦手で、書き間違えが多い。
  • 視覚認知に偏りがあり、文字や単語を見分けることが苦手。
  • 文字をまとまりとして読むことが苦手で「ひこうき」を「ひこ」「う」「き」などと読んでしまう。
  • 文章を読めても内容が理解できない。
  • 数字や計算式の記号などを理解するのが困難。
  • くり上げ、くり下げのある計算がわからない。
  • 図形やグラフをきちんと読んだり、理解したりすることができない。
  • 九九がなかなか覚えられない。

このように、発達障害を持つ子どもには、勉強に集中できない、または成績を上げられない理由があるのです。

1-2 パソコン・タブレット教材の特徴

次に、パソコン・タブレット教材が発達障害の子どもにどんな影響を与えるのか、教材の特徴を整理しながら考えていきます。

【特徴① 視覚・聴覚を使って勉強ができる】

パソコン・タブレット教材は、動画や音声を多用し、ゲームのように楽しみながら学習できるのが特徴です。

→パソコン・タブレット教材での勉強で発達障害の子どもは…

  • 塾の集団授業や紙の教材ではなかなか集中できない場合も、動画や音声が適度な刺激となり、集中力が持続しやすくなる。
  • LDで文字の読み書きに障害がある場合も、音声や動画で解説があるので理解の手助けとなる。
  • 人とのコミュニケーションに障害がある場合も、パソコン・タブレット教材なら、画面上の先生やアニメのキャラクターが解説してくれるので、リラックスして学ぶことができる。

【特徴② 自分のペースで勉強できる】

教材によっては専用端末を使うものもありますが、パソコン・タブレットとインターネット環境があれば、いつでも勉強することができます。

勉強の進度も、それぞれの理解度に合わせて調整することが可能です。

→パソコン・タブレット教材での勉強で発達障害の子どもは…

  • 凹凸が激しい場合も、マイペースで勉強することができる。(塾の集団授業のようにどんどん先に進んでしまうことがない。)

【特徴③ 理解できるまで何度も勉強できる】

教材にもよりますが、わからない部分は何度も繰り返したり、過去に勉強した部分に戻ったりして勉強できます。

→パソコン・タブレット教材での勉強で発達障害の子どもは…

  • 反復して学習でき、知識を定着していくことができる。(ワーキングメモリが不足している場合は、習ったことをすぐに忘れてしまいがち。)
  • きちんと理解するまで学習することができる。(教材によっては、間違えたところを自動的に繰り返し勉強させたり、必要に応じて過去の単元を復習させたりといった機能があるため。)

1-3 パソコン・タブレット教材はWISCの視点から考えてもおすすめ

発達障害の診断のため、医療機関などでよく用いられる知能検査に「WISC-IV」があります。
WISC-IVでは、「言語理解」、「知覚推理」、「処理速度」、「ワーキングメモリ」の4つの指標で診断します。

それぞれの概要は以下の通りです。

「言語理解」

語彙力や言語知識、その知識を状況に合わせて応用しながら使う能力を評価。

「知覚推理」

視覚的な情報を取り込み、各部分を関連づけて全体を推測する能力を評価。

「処理速度」

視覚的な情報をすぐに認知し、事務的に、正確に数多く処理していく能力を評価。

「ワーキングメモリ」

聴覚的な情報に注意を傾け、一時的に正確に記憶しておく能力を評価。

4つの指標の得点から全検査IQが算出されます。

この4つのうち、「処理速度」、「ワーキングメモリ」の点数が低い(不得意がある)子どもの場合、上記「1-2 パソコン・タブレット教材の特徴」で紹介した【特徴② 自分のペースで勉強できる】、【特徴③ 理解できるまで何度も勉強できる】が役立つことがあります。

もちろん、1人ひとりの障害の度合いにもよりますが、塾や家庭教師、紙の通信教材ではカバーできなかった障害の部分も、パソコン・タブレット教材なら補える可能性があるのです。

1-4 パソコン・タブレット教材は塾や家庭教師に比べて価格が安い

パソコン・タブレット教材の大きな特徴として、塾や家庭教師に比べて価格が安いことが挙げられます。

特に発達障害に対応した塾や家庭教師の場合、通常の塾や家庭教師より高額になる傾向があるため、長く通わせることを考えると経済的に断念せざるを得ないこともあります。

《発達障害に対応した塾や家庭教師について》

■塾・家庭教師の月額料金例

発達障害向けの塾→月額30,000円(60分×週2回)

発達障害対応の家庭教師→月額32,000円(90分×月4回)

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後ほど各教材の紹介の部分で詳しく触れますが、パソコン・タブレット教材の場合1ヶ月980円〜数千円が基本です。
単体での利用はもちろん、塾や家庭教師との併用もしやすいといえるでしょう。

2. パソコン・タブレット教材の種類

発達障害を持つ子どもの勉強に大いに役立つ可能性のあるパソコン・タブレット教材。
さまざまな会社が独自の教材を出しています。

どんなものがあるのか、代表的な教材の特徴を見ていきましょう。

スタディサプリの特徴

株式会社リクルートホールディングスが運営する「スタディサプリ」は、月額980円で、有名講師の授業動画を見ることができるサービス。

小学4年生から大学受験まで、すべての動画が見放題なので、得意分野は先取り学習、不得意分野はさかのぼって繰り返し学習など、自分のペースで学んでいくことができます。

1コマ15分と短いので集中しやすく、ドリルで理解度を確認することができます。

  • 対象学年:小学4年生~高校3年生
  • 教科:国語・算数(数学)・英語・理科・社会
  • 価格:月額980円
  • 学習端末:パソコン・タブレット・スマートフォン
  • 保護者用画面:あり
  • 懸念点①:授業の動画なので、黒板に書かれた文字を画面で見ることになる。先生によっては「走り書き」のような文字の場合もあり、読み書きが苦手な子どもにとっては、文字が読みづらいことが考えられる。
  • 懸念点②:先生が早口で話す場合もあり、聞くことが苦手な子どもは何を言っているか理解できない可能性がある。
  • 懸念点③:小学4年生で習う内容からしかないので、それ以前の内容でつまずいている場合はカバーできない。
  • 懸念点④:動画は繰り返し見ることができるが、用意されているドリルは4択などの選択式で同じ問題しか出ないので、答えを覚えてしまったら意味がなくなってしまう。

スマイルゼミの特徴

株式会社ジャストシステムが提供している「スマイルゼミ」は、ノートサイズの専用タブレットにデジタルペンで書いて勉強を進めていきます。

動画による解説と、タッチしながら理解を深めていける授業はわかりやすいと評判です。
学校で使っている教科書と授業の進度に合わせ、毎月決まった分量が配信されます。
定期テストの範囲を設定すれば、苦手なポイントを重点的に学べるためしっかりとテスト対策ができます。

勉強した分だけ遊べるゲームがあったり、保護者管理のもとインターネットを楽しめたりするため、子どもは「自分専用のタブレット」という感覚を持ちやすいのも特徴です。

  • 対象学年:小学1年生~中学3年生
  • 教科:国語・算数・英語(小学1年生~2年生)、国語・算数(数学)・理科・社会・英語(小学3年生~中学3年生)
  • 価格:月額3,600円~7,980円(学年によって異なる。タブレット代別途9,980円(1年間の継続利用が前提))
  • 学習端末:専用タブレット
  • 保護者用画面:あり
  • 懸念点①:教科書準拠ではあるが、学校の授業の進み具合によってはズレてしまうことがある。
  • 懸念点②:受講を開始した月以降の内容はさかのぼって何度も学習できるが、それ以前のものは見ることができない。そのため、過去の内容が理解できていない子どもには不向き。
  • 懸念点③:音声やアニメーションが比較的シンプルで、楽しい雰囲気は控えめ。
  • 懸念点④:専用タブレットやタッチペンに不具合が発生するという口コミもあり、交換にもお金がかかる。

チャレンジタッチの特徴

「進研ゼミ」のベネッセコーポレーションが提供しているタブレット教材「チャレンジタッチ」。

進研ゼミ小学生講座の中には紙の教材で学ぶ「オリジナルスタイル」、タブレット中心で学ぶ「チャレンジタッチ」、紙とタブレット(iPad)を組み合わせた「ハイブリッドスタイル」があります(中学生講座になると「オリジナルスタイル」と「ハイブリッドスタイル」のみになります)。
ここでは「チャレンジタッチ」の特徴を見ていきます。

キャラクターが会話をするように授業が進んでいき、音声も聞き取りやすいので楽しみながら理解していくことができます。
学校で使っている教科書と授業の進度に合わせ、毎月決まった分量が配信されます。
科目ごとに「基礎・応用・挑戦」の3レベル別の授業があり、学力にぴったりの問題を解くことができるのが特徴です。

年に数回、紙の教材も届き、「赤ペン先生のもんだい」という紙の添削を受けることができます。

  • 対象学年:小学1年生~小学6年生(中学生は紙とタブレットで学ぶ「ハイブリッドコース」となる)
  • 教科:国語・算数・英語(小学1年生〜2年生)、国語・算数・理科・社会・英語(小学3年生〜小学6年生)
  • 価格:月額3,343円~5,779円(毎月払いの場合。学年によって異なる。半年以上継続の場合タブレット代は無料)
  • 学習端末:専用タブレット(「ハイブリッドコース」はiPadで学習)
  • 保護者用画面:あり
  • 懸念点①:継続利用していても1学年下までしかさかのぼれないため、それ以前の復習が必要な子どもには不向き。
  • 懸念点②:教科書準拠だが、一部対応していないものがあるので事前に確認が必要。また、学校の授業の進み具合によってはズレてしまうことがある。
  • 懸念点③:他の教材と比較すると、解説は丁寧だが、問題量が少なめの傾向がある。

ネット塾ショウインの特徴

個別指導塾のショウインが運営している教材で、学年に関係なく、小学1年生から中学3年生の5教科を学ぶことができます。

そのため、得意教科は先取り学習したり、不得意教科は過去に戻って何度でも復習したりと、自分のペースで勉強することができます。

スカイプを使って学習コーチと会話ができるのが特徴です(回数はコースによって異なる)。
また、教科ごとに「しつもんコーナー」が用意されており、勉強に関する質問をすることができます。

  • 対象学年:小学1年生~中学3年生
  • 教科:国語・算数(数学)・英語・理科・社会
  • 価格:月額8,000円(週1回TV電話(無料)で講師からの声かけ)、月額12,000円(週1〜2回TV電話(無料)で講師による指導)
  • 学習端末:パソコン・タブレット
  • 保護者用画面:なし
  • 懸念点①:音声やアニメーションがシンプルで、FLASHで作られたもののため最先端とは言い難い。楽しい雰囲気は控えめ。
  • 懸念点②:動画やアニメーションによる解説やヒントは少なめ。
  • 懸念点③:間違った問題は繰り返し出題されるが、同じ問題がたびたび出てくるので答えを覚えてしまうことがある。
  • 懸念点④:講師が発達障害に理解があるとは限らない。

テンジンの特徴

「天神」は株式会社タオが提供している教育ソフトで、乳幼児版から小学生版、中学生版、高校生版まで用意されています。

入会すると外付けハードディスクに入った教材が届き、パソコンを使って学習していくのでインターネット接続は不要です。
兄弟姉妹がいる場合は、追加料金なしでそれぞれに合った勉強をすることができるのも特徴です。

学校の教科書に対応していますが、学年を超えた勉強ができます。
1人ひとりの理解度によって先取り学習や、過去の学年に戻っての復習が可能です。

  • 対象学年:小学1年生~高校3年生(乳幼児版もあり)
  • 教科:国語・算数(数学)・英語・理科・社会
  • 価格:フルオーダーメイド制のため一律ではない。(例:小学生版5教科セットで約100万円)
  • 学習端末:パソコン
  • 保護者用画面:なし
  • 懸念点:月額ではなく、教材を一括購入する形になる(購入単位にもいくつか種類がある)。継続利用することを考えれば特別割高ではないが、合うかわからないまま購入するには高い。

すららの特徴

株式会社すららネットが提供している「すらら」は、パソコン・タブレットで学習する対話型アニメーション教材です。

キャラクターが先生となり、質問を投げかけながらレクチャーが進んでいきます。
レクチャーの後すぐにドリルを解くことで学力を定着させることができるのが特徴です。

学年の枠を超えた無学年方式を採用しており、間違えた問題は自動的に難易度を調節して再度出題したり、必要に応じて過去の内容に戻って理解させたりする機能がついています。

教科によって世界観が作られており、それぞれ個性的なキャラクターが登場します。
プロの声優がキャラクターの声を担当しているため聞き取りやすく、楽しく学んでいくことができます。

「すらら」の大きな特徴は、現役の塾の先生でもある「すららコーチ」が質問に答えてくれることです。
学習設計、進捗管理はもちろん、1人ひとりの特性に合わせて導いてくれるので保護者も安心できます。

  • 対象学年:小学1年生~高校3年生
  • 教科:国語・算数(数学)・英語
  • 価格:月額8,000円
  • 学習端末:パソコン・タブレット
  • 保護者用画面:あり
  • 懸念点:理科と社会がないので、別の教材で勉強しなければならない。

デキタスの特徴

城南予備校で知られる株式会社城南進学研究社が提供しているパソコン・タブレット教材です。
予備校の講師が監修しているため、ポイントを押さえた構成となっています。

授業動画のあとに○×チェックで理解度を確認し、基本問題、チャレンジ問題へと進んでいきます
間違えた問題は自動でストックされるので苦手克服に役立ちます。

教科書対応ですが、「さきどり学習」、「さかのぼり学習」の機能があり、学力に合わせて勉強していくことができます。

  • 対象学年:小学1年生~中学3年生
  • 教科:国語・算数・英語・生活(小学1年生〜2年生)、国語・算数(数学)・理科・社会・英語(小学3年生〜中学3年生)
  • 価格:月額3,000円〜4,000円(学年によって異なる。)
  • 学習端末:パソコン・タブレット
  • 保護者用画面:なし
  • 懸念点①:キャラクターの動きがややぎこちなく、音声が不自然な部分がある。
  • 懸念点②:発達障害への配慮がないため、子どもに合った勉強がしづらい。

以上のような特徴をふまえ、タイプ別にパソコン・タブレット教材のおすすめをまとめると下記になります。

勉強の得意度おすすめ教材
勉強が得意Z会
スタディサプリ
勉強は普通進研ゼミ
スマイルゼミ
ショウイン
デキタス
勉強が苦手・発達障害があるすらら
天神

3. 発達障害の子どもにおすすめのタブレット教材は「すらら」

発達障害を持つ子どもにとってパソコン・タブレットで勉強できる教材は、障害による問題をカバーできる可能性のあるものです。
楽しみながら取り組むことで、すすんで勉強するようになれば、子どもの持つ可能性を大きく広げることにつながります。

無料でお試しできるのも多いので、実際に見てみて、子どもが一番楽しくできるものを選ぶのがよいでしょう。

おすすめの教材「すらら」はこちらよりご体験いただけます。

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