算数は嫌いじゃない、逆に得意な方なのに、なぜか文章題は間違ってしまう……そんなお子さんはいませんか?
文章題を解くには、問題文を読んで何を求められているかを読み解く「読解力」が必要です。
計算問題とは違い、国語と同様の「文章を読み解く力」が求められる文章題の苦手を克服するにはどのような勉強方法が効果的なのでしょうか。また、得意になれるコツはあるのでしょうか。
テストでは配点も高めの設定になっている文章題を得意にできる学習方法を探ってみましょう。
目次
1. 算数の文章題が苦手な理由は?大切なのは読解力
文章題は読解力が必要となる問題で、言葉の意味を理解すること、何を聞かれているかを読み解くことが必要になります。
慌てて読み飛ばしをしてしまったり、間違った捉え方をしてしまったり、前に見たような問題だったかもしれないと早合点してしまったりして、ミスをしてしまうことも多くあります。
言葉の読み取り能力が低いと、文章題を正確に説くことができません。
また、読み取れないことからじっくりと眺めるだけになってしまい、計算につながらず時間だけが経過していることもあります。
あまり本を読まない子ども、会話に単語だけが多い子ども、人の話を最後まで聞かず早合点しやすい子ども……など、読解力が育っていない子どもは文章を読み解くのが難しく、算数の文章題も苦手になってしまうのです。
2. 文章題で一番大切なことは?内容を具体的にイメージしよう
算数の文章題では文章の意味を素早く読み取り、理解し、問題を解くことが求められていますが、文章題はパッと見て瞬時に答えが浮かぶ計算問題とは解き方が変わってきます。
大切なのは、問題の内容を具体的にイメージしながら、文章の「意味」を理解することです。
例えば、下記のような問題があったとき、お子様はいきなり解き始めてはいませんか?
〇リンゴとみかんが合わせて20個あります。リンゴとみかんの数は同じだけあります。みかんの数はいくつでしょう。
まずは式を立てる前に、リンゴとみかんのイラストを描かせてみましょう。
リンゴとみかんを10個ずつ描き終えて答えがわかったら、式を考えます。
式を先に立てようとせず、文章題でどんな答えを求められているのか、その意味をイメージとして捉えることが大切です。
問題文をきちんと理解できるように、音読することもいいでしょう。
大切なのはしっかりと文章を読み取り、問題のねらいをしっかりとらえることです。
それでは、そのためにはどんな勉強方法が大切なのでしょうか。次の章で考えてみましょう。
3. 算数の文章題が得意になる勉強方法とは?
算数の文章題は、国語の文章問題とは違い、単語・数字・表現全てを使って問題を解きます。
短い文章の中にあるすべての要素が計算式を立て、答えを導く素材になるため、文章をしっかり読み取り頭に入れ込むことが大切です。
効果的な方法としては、下記のような方法があげられます。
〇問題を声に出して読む
テストの時間や学校の授業では難しいかもしれませんが、家庭学習をするときなどは声に出して繰り返し問題を音読しましょう。
何度も音読することで問題が自分の耳を通して頭に入り、文章の意味を理解しやすくなります。
黙読ではついつい読み飛ばしてしまう部分も音読であれば読み飛ばしを防ぎ、捉え違いを防止することができます。
また、慣れてくれば「心の中で読むんだよ」、「意味を考えながらスピードもつけて読むんだよ」と伝えていきましょう。
時間をかけてただ読むのではなく、意味を考えながらスピーディーに読み解く力を付けていきましょう。
〇具体的なイメージをイラスト化する
お子さんが低学年の時は、保護者が一緒に寄り添い、文章題の内容をイラストにして示します。
慣れてくれば、子どもに自分でイラストを描き、問題の内容を視覚的に理解するよう促します。
文章を読むだけで計算式を立て、答えを導くのは難しいものです。
イラストを描くことで問題全体のイメージを掴むことができ、慣れてくれば実際にイラストを描かなくても頭の中でイメージして答えを導きだせるようになります。
〇わからない言葉を知り、調べる
算数の文章題の中には、「時速」、「多面体」、「積」など、算数ならではの単語が含まれることも増えていきます。
そういった単語の意味を理解していないと、文章題は解けません。
わからない単語はそのままにせず、その都度教科書や辞書で調べる習慣をつけさせるようにしましょう。
親御さんと一緒に調べ、わかったことを問題に書き込むのも記憶に残る方法です。
そして、もう一度問題を読み、どういう意味で何を求められている問題なのかをお子さんに説明してもらいます。
説明をすることでより理解が深まります。
〇繰り返し、何度も文章題を解く
苦手を克服するには繰り返し文章題を解くことが一番の近道です。
算数の文章題のパターンに慣れれば、問題を読むだけで何を求められているかが瞬時にわかり、計算式を立て問題を解くことへ集中できます。
読解力を伸ばし、文章題を得意にするには様々なタイプの文章題を解くことです。
そのためには同じ問題ばかりではなく、たくさんのパターンの文章題を解いてみましょう。
〇間違いを確認し、再度解く
算数の文章題に限ったことではありませんが、間違った箇所を振り返ることも大切です。
苦手な単語や表現、勘違いしやすい問題のパターンを知ることができて、苦手を克服することにつながります。
また、以前に間違った問題を時々やってみるのもいいでしょう。
4. まとめ
少し複雑な文章題が増えてくるのが小学校3年生~4年生の時期です。
この時期につまずいてしまうとずっと苦手意識を持ってしまいます。
そうならないためにも保護者が寄り添い、苦手意識を克服するため、上記の方法で一緒に勉強してみましょう。
文章題が解けるようになるということは、物事の筋道を立てる、自分の考えを持って解決することへとつながります。
将来、困ったときや難題にぶつかった時にじっくりと考え、自分の力で解決できる子どもに成長できる土台となるかもしれません。
上記に述べた以外にも、そのお子さんの苦手に合った問題を保護者が手作りしてあげるのも喜んで取り組むことになるでしょう。
日頃から本を読む、親子でクイズを出し合うなど、一緒に楽しく文章題を克服していきましょう。