集中力のない子どもは、机に向かっても、短時間で飽きて立ち歩いたり、他のことを始めたりしてしまうことがよくあります。そんな子どもを勉強に集中させるには、その短い集中時間を最大限に使えるような工夫が必要です。
そのためのカギとなるのが「休憩」です。休憩の取り方で集中力をアップさせる方法をご紹介します。
目次
1. 子どもが休憩なしで勉強に集中できる時間を見極める
集中力のない子どもに、いくら「1時間集中しなさい」と言い聞かせても、できるようにはならないでしょう。
まずは、子どもがどのくらいの時間なら集中していられるのかを見極めてください。10分なら10分、苦手教科は5分かもしれませんが、それでも構いません。
1−1 勉強→休憩のリズムをつくる
子どもの集中が持続する時間を見極めたら、それを元に「勉強→休憩→勉強→休憩」のリズムをつくっていきましょう。たとえ10分しか集中できなくても、10分勉強→10分休憩→10分勉強→10分休憩というリズムをつくれば、20分、30分と勉強することができます。
休憩時間の長さは、勉強時間と同じくらいが良いですが、長すぎると休憩からの切り替えが難しくなってしまうので、20分、30分と集中できる子にはもう少し短めに設定してください。子どもが適度にリフレッシュできる長さで決めましょう。
1−2 勉強後の休憩を楽しみな時間にする
休憩時間に何をするかがとても重要です。ただ何もせずに過ごすのではなく、子どもにとって楽しいこと、うれしいことをする時間にしましょう。たとえば、「10分集中できたら、大好きなおやつをあげる」とか「15分勉強できたら、15分ゲームをしていいよ」といった感じです。
また、決められた時間をクリアできたら、すかさず褒めてあげることも大切です。
「勉強すれば褒められるし、おいしいおやつももらえる」というように、子どもにとって勉強するといいことがあると認識させるのがポイントです。
褒め方については下記記事をご覧ください。
1−3 決められた時間をクリアできなくても叱らない
ときには、5分、10分といった短時間でも集中できないこともあるでしょう。そんなときも「どうしてできないの?」、「最後までやりなさい!」などと叱るのは厳禁です。
叱られると、子どもは「自分はダメなんだ」とか「勉強なんて大嫌い」といったマイナスイメージを抱いてしまいます。それが勉強への抵抗感になり、余計に集中できなくなってしまうのです。決められた時間をクリアできないときは「半分でいいからやろうか」とか「別の教科をやろうか」と提案してみてください。また、少しでも努力したことを褒めてあげるようにしましょう。
2. 休憩時間を勉強への動機付けにする
人が何か行動を起こし、達成までそれを持続させるときの動機付けには、大きく分けて以下の2種類があります。
●内発的動機付け
自分の中での興味や達成感のために内面で自発的に沸き起こる要因によって行動すること。
(例:自分の趣味、テレビゲーム 周りから見ると「何の得になるの?」とおもわれること)
●外発的動機付け
活動自体を楽しむのではなく何かのためにそれをすること。
(例:仕事、勉強)
休憩時間を楽しいものにするなど、何かしらのご褒美を目的に勉強することは、外発的動機付けによるものになります。
内発的動機付けに変化させることを目指そう
うれしいこと、楽しいことがあるから勉強するという外発的動機付けは、集中力のない子ども、勉強嫌いの子どもには効果的な方法です。
ただ、勉強の習慣を身に着けることができたら、少しずつ内発的動機付けになるよう、促していきましょう。
内発的動機付けでは、達成感や、それ自体の楽しさ、興味がモチベーションになります。
外発的動機付けに基づいた勉強をしていく中で、たくさん褒められたり、認められたり、楽しいことを見つけたりといった経験が、内発的動機付けにつながっていきます。
時間で区切っていた勉強法を「ここまで理解できたら」と内容で区切ってみたり、ご褒美をあげる頻度を減らしたり、物ではなく褒め言葉だけにしたりと、様子をみながら徐々に変えていきましょう。
このように、時間を短く区切り、休憩時間を勉強の動機付けに利用することで、集中力を上げることができます。
「勉強するといいことがある」と思わせるところから始め、いずれ「勉強は楽しい」と感じられるように、温かく見守っていきましょう。