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発達障害を持つ子どもにとって、学校の勉強についていくこと、成績を上げることは簡単なことではありません。苦手を克服し、勉強に対する自信をつけさせてあげるにはどうすればいいのでしょう?いろいろな勉強法がある中で「公文(くもん)」を検討する人も多いようです。たしかに、「くもん」は個人のペースで勉強できるので、凹凸のある子どもに適しているように見えます。発達障害を持つ子どもに必要な勉強法とはどんなものなのか、「くもん」を例に考えてみましょう。

1. まずは「くもん」の特徴を整理してみる

公式ページによると、「くもん」で学習している人の数は全国で155万人。それほど多くの人に選ばれている「くもん」には、どのような特徴があるのでしょうか。まずは基本的な情報を整理してみます。

<「くもん」の主な特徴>

  • 先生の自宅または貸し教室で、複数の生徒が同時に勉強する
  • 一人ひとりに合わせたカリキュラムがある
  • 無学年方式で学年に関係なく勉強を進めることができる
  • 教材は自習形式のプリント。基本的に自分の力で解く
  • プリントはスモールステップに分かれており、とにかくたくさんの問題を解く
  • わからない部分は教えてもらえるが、手取り足取りではなく、自力で解けるよう先生が導いてくれるイメージ
  • 学校の成績を上げることではなく、「中学・高校の勉強が自学自習できるようになる」ことが目標
  • 算数、数学は計算問題がメイン。文章問題や図形問題はほとんどない
  • 毎回宿題が出る

2. 発達障害の子どもが抱える勉強の障害を理解する

発達障害を持つ子どもに「くもん」は有効なのか、それを検討するためには、発達障害を持つ子どもが抱える勉強の障害を理解する必要があります。「発達障害」といっても、その診断名や症状、程度によって起こる障害はさまざまです。「自閉スペクトラム症(ASD)」、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、「学習障害(LD)」の3つに分けて見ていきましょう。

2-1 自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが抱える勉強の障害

高機能自閉症やアスペルガー症候群を含む「自閉スペクトラム症」の子どもは、多様な症状を抱えています。社会性、コミュニケーション、社会的想像力、感覚・刺激に障害があり、それが勉強を妨げているのです。

<自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが抱える勉強の障害>

  • 自分の気持ちを伝えるのが苦手なので「わかりません」や「教えてください」が言えない
  • 集団行動が苦手なため、集団授業についていけない。グループワークが苦手
  • 話し方がふつうと異なる、まとまりのない話し方をするため、集団授業での発言が苦手
  • 言葉や文字になっていないものを推測する力が弱く、想像力を問われる問題が苦手
  • 特定のものに対する執着が強く、それ以外の物事がなかなかできない(宿題をやらなかったり、苦手分野の勉強をしなかったりする)
  • 予想外の出来事に対応できない、いつも通りでないと気がすまないため、応用問題が解けなかったり、抜き打ちテストがあるとパニックになったりする

2-2 注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもが抱える勉強の障害

じっとしているのが苦手、集中力が続かない、うっかりミスが多いなどの症状があります。「多動・衝動優勢型」、「不注意優勢型」、「混合型」に分けられます。

<注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもが抱える勉強の障害>

  • 静かに授業を受けたり、じっくり問題を解いたりすることができない。席を立ったり、おしゃべりをしたりしてしまう
  • 周囲のさまざまなものに気を取られ、思考が次から次へと移り変わってしまう
  • ワーキングメモリが不足しているため、授業の内容を覚えられない
  • ケアレスミスが多い、授業に必要な持ち物を忘れてしまう
  • 整理整頓が苦手で机の上や中がごちゃごちゃになる

2-3 学習障害(LD)の子どもが抱える勉強の障害

知的障害はありませんが、聞く、読む、話す、書く、計算する、推論するといった能力の中の特定のものの習得に障害があります。文字や文章の読みに障害のある読字障害(ディスレクシア)、文字が書けない・書き写せないといった書字障害(ディスグラフィア)、数の概念がわからなかったり、計算ができなかったりする算数障害(ディスカリキュリア)などに分類されます。勉強の基本的な能力に障害があるためダイレクトに学校の勉強や成績に影響します。これらの症状が現れる原因もさまざまです。

<学習障害(LD)の子どもが抱える勉強の障害>

  • 聞き取ったことや考えたことを文字に変換することが苦手で、よく書き間違える
  • 視覚認知に偏りがあり、文字や単語をすぐに見分けることができない。鏡文字になるなど書き間違えも多い
  • 文字をまとまりとして読むことが苦手で「ひこうき」を「ひこ」「う」「き」などと読んでしまう
  • 頭の中で情報を整理できないため、文章を読めても内容が理解できない
  • ワーキングメモリが不足しており、読み書きを教えてもらってもすぐに忘れてしまう
  • 漢字の部首など、文字のパーツを覚えられない
  • 数字や計算式の記号などを理解しにくい
  • くり上げ、くり下げのある計算を間違えやすい
  • 九九が覚えられない
  • 図形やグラフをきちんと読んだり、理解したりすることができない

3. 発達障害による勉強上の問題を解決するための方法を考える

このように、発達障害を持つ子どもはさまざまな勉強上の問題を抱えています。その現れ方は症状の度合いや環境によっても変わってくるので、一人ひとりに合った対処法を考えることが必要です。ここでは、必要な対処法について、考えうるものを挙げてみましょう。

(1)自分のペースで勉強できること

集団授業についていけない、大人数の中で発言することが苦手、特定の分野に苦手がある子どもには、一人ひとりに合ったペースで勉強できる環境が必要でしょう。

(2)わからないところを何度でも教えてもらえること

ワーキングメモリが不足している子どもは、習ったことをすぐに忘れてしまいます。「一度習ったから」という理由で先に進んでしまうと、とたんについていけなくなってしまうのです。復習を繰り返しながら少しずつ進めていける環境と学習サポートが必要です。

(3)落ち着いて勉強に専念できる場所があること

周囲の刺激に敏感ですぐに気が散ってしまう子ども、すぐにテンションが上がってしまう子どもには、人が多い教室や壁の掲示物などは集中力を削ぐ原因になります。勉強に無関係な物がない、静かで落ち着いた場所がベストです。

(4)飽きずに楽しみながら勉強できること

発達障害を持つ子どもの中には、好きなことや興味のあることに執着し、それ以外のことはなかなかできない子が多くいます。そんな子どもにとって、つまらない勉強をやらされることは耐えられるものではありません。たとえばゲーム性があるもの、アニメやマンガ形式のものなど子どもが興味を持って取り組めるような勉強法を見つけてあげるといいでしょう。PC・タブレット教材を使用するもの解決策の1つです。

(5)ビジュアルや音声で学習を進めていけること

すぐに集中力が切れてしまう子どももビジュアルや音声を使った勉強なら、ほどよい刺激が続くので楽しんで進められることもあります。ただし、視覚や聴覚過敏の症状がある子どもには、本人の特性にあった調節が必要です。

(6)苦手な「書くこと」をカバーできる勉強法を見つけること

書字障害がある子どもの場合、回答を書くことそのものが困難です。しかし、そのために勉強嫌いになってしまってはもったいないことです。書くことのトレーニングは続けつつ、パソコンで打ったり、音声入力をしたりといった方法で勉強を進めていけるようにしましょう。

(7)褒めてもらえる・ごほうびがあること

発達障害があり学校の勉強に遅れがちな子どもは、「どうせ自分にはできっこない」と自信を喪失してしまっていることが多いでしょう。そんな子どもにやる気を起こさせるには、「勉強するといいことがある」と思わせる必要があります。どんなに小さなことでも、できたこと、努力したことは存分に褒めることが大切です。また、目標達成の度合いによってごほうびなどがあるといいでしょう。

(8)学習スケジュールがあること

発達障害を持つ子どもの中には、先の見通しが立っていないと不安になる子もいます。何からやればいいのかわからず途方にくれてしまうのです。今日やるべきことがきちんとわかる学習スケジュールが必要です。

(9)見守ってくれる人がいること

発達障害を持つ子どもの勉強には、見守る人の存在が不可欠です。勉強しているかどうかだけではなく、どんな勉強をしているのか、どのくらい理解しているのかなども把握してスケジュールを組んであげます。また、「わかりません」と自分から言い出せない子どもとも向き合い、信頼関係を築いていくことが必要です。

4. 発達障害の子どもが「くもん」で学ぶメリットとデメリット

以上の対処法を「くもん」がどれだけカバーできるかが、カギとなりそうです。発達障害の子どもが「くもん」で学ぶメリットとデメリットを挙げてみます。

4-1 発達障害を持つ子どもが「くもん」の教室で学ぶメリット

集団授業ではなく、一人ひとりに合わせた勉強ができるのは発達障害の子どもにとってメリットといえるでしょう。無学年方式を採用しているのも、得意不得意の差が大きい子どもには合っていそうです。

また、「今日やる分」のプリントが明確なので、何からやればいいかわからない、自分でスケジュールを組むことができない子にも安心です。

間違った問題も自力で解けるよう先生が導いてくれる点、プリントがスモールステップに分かれている点は、子どもの「できた!」という達成感を引き出すのに良さそうです。発達障害の子どもは自分に自信がないことが多いので、小さなことから自信をつけさせてあげられるのはいいですね。

4-2 発達障害を持つ子どもが「くもん」の教室で学ぶデメリット

集団授業でなくても、人が大勢いる環境は子どもによっては刺激が強く、集中力が削がれてしまいます。多動・衝動の傾向がある子どもは、みんなが静かに勉強している環境に耐えられず、立ち歩いたりしてしまう可能性があります。

読み書きに障害がある子ども、ワーキングメモリが不足している子どもは、やはりプリントでの自学自習は難しいでしょう。先生に質問したくても、生徒数に対して先生が少なかったり、自分から積極的に質問できなかったりすると良い環境とはいえません。

興味のないことに取り組むのが苦手な子にとって、ひたすらプリントと向き合う「くもん」の勉強は苦しいことでしょう。アニメやマンガを取り入れた教材と比べ、「楽しみながら勉強する」という点では、「くもん」は“楽しくない”といえそうです。

学校の勉強に沿っていないので、テスト対策などは基本的にありません。ワーキングメモリの不足している子どもは、過去にやった勉強を忘れてしまう傾向が強いため、思うように成績が上がらない可能性があります。

「くもん」ではたくさんの宿題が出ます。理解に時間がかかる子ども、読み書きに手間取ってしまう子どもにとって負担は大きいものでしょう。また、多動・衝動の傾向があり、集中力が続かない子どもにとっても家で長時間勉強することは困難です。

4-3 発達障害を持つ子どもと「くもん」の相性

子どもの発達障害の特性によって、「くもん」を活用できる場合、できない場合がありそうです。
生徒の人数が多いことや教室環境などに問題がなく、たとえば「計算が好き」とか「プリントを解くこと自体に楽しさを感じる」という風に、子どもが無理なく取り組める場合は「くもん」が合っているといえるでしょう。ただ、「くもん」は自学自習が基本なので、読み書きの能力や読解力は必要です。苦手分野を自力で勉強するのは難しいので、得意分野を伸ばす勉強にはいいかもしれません。

実際に見つけた口コミでは、下記のようなものがありました。

先生との相性がいいようで、私が何度言っても聞かないことも、先生が言うと素直に聞いていた。発達障害に理解のある先生で、やさしく、ときに厳しく指導してくれるのがいい」

「くもん」にはたくさんの先生がいます。その中で、発達障害に理解のある先生かどうかはかなりの重要ポイントですね。

残念ながら「くもん」が合わなかったという人の口コミだと、

「学習障害のある息子は、中学生ですが小学校低学年のプリントをやっています。自分より小さな子たちにバカにされたことがあり、自尊心が傷ついてしまったようです」

という声も。自分のペースで勉強できるのが「くもん」の特徴ですが、教室自体は生徒が大勢いるので、周りの目が気になってしまうことがあるようです。

「くもん」の教室は見学できるので、気になる場合は一度行って実際に見てみてください。また、子どもに合わない場合は、無理に通わせ続けるより、勉強法を変えてあげたほうが勉強嫌いにならなくてすむでしょう。

5. 自宅で勉強する方法を考えてみる

「くもん」のように複数の生徒が一緒に勉強する環境になじめない場合、やはり家庭学習することになるでしょう。真っ先に思い浮かぶのが家庭教師です。個人のペースに合わせてくれる点、つきっきりで見てくれる点では、発達障害を持つ子どもにぴったりの勉強法といえそうです。ただし、人との関わりが苦手だったり、コミュニケーションに障害があったりする場合はうまくいかないケースも考えられます。

そんなときは、eラーニングという選択も検討してみましょう。インターネットを通じて勉強する方法で、人と関わることが苦手な子でもリラックスして勉強することができます。ストーリー性やゲーム性もふんだんに取り入れた構成になっているものもあり、楽しく学んでいくことができます。おすすめの教材については、下記記事をご覧ください。

6. まとめ

発達障害を持つ子どもの勉強法は、まず子どもの障害の特徴を理解することが大切です「くもん」が合っている子もいれば、「くもん」では伸びない子もいます。障害に合わせて「3. 発達障害による勉強上の問題を解決するための方法を考える」で示したような対処法をできるだけカバーできる勉強法を探してあげましょう。

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