発達障害の子どもにとって、親との関わり方は今後の人生を左右すると言っても過言ではないほど重要です。
日常生活における子どもの困難を解消し、問題行動を減らしていくための保護者向けのプログラムをペアレントトレーニングといいます。
今回は、ペアレントトレーニングについて知るためにおすすめの本をご紹介します。
1. ペアレントトレーニングの基本とは?基礎を学べるおすすめ書籍を紹介!
「麻由子ちゃんは、お母さんに服を着替えるように言われました。
ところが着ている途中で集中力が切れてしまいました。
上半身だけ服を着たまま、テレビを見ようとしています。」
この場面で、子どもをほめることができるポイントを2つ見つけてください。
(叱りません、ほめるのです。)
これは、『マンガでわかる 魔法のほめ方 PT(ペアレントトレーニング) 叱らずに子どもを変える最強メソッド』(横山浩之・小学館)という本の帯に書かれている文章です。
このシチュエーションを想像してみると、つい「早く着替えなさい!」と叱ってしまう人が多いのではないでしょうか。
ですが、ペアレントトレーニングではこの状況で叱らずに褒めることを考えます。
ペアレントトレーニングの考え方の基本は以下の3点です。
- 好ましい行動、増やしたい行動→褒める
- 好ましくない行動、減らしたい行動→無視する
- 許しがたい行動、危険なことなどやめさせたい行動→止める
「叱る」はこの中にはありません、叱らずに子どもの行動を改善させることを目指すのです。
冒頭の問題の答えは一体なんなのでしょうか、それは実際にこの本を読んで確かめていただければと思います。
この本は、こういった実例がマンガでわかりやすく紹介されていて、誰もが共感できる内容です。
また、「制限時間15分以内で、子どもへのほめ言葉を50個書き出してみましょう」といった実践的なワークも紹介されており具体的なプログラムについて知ることができるのもおすすめする理由です。
褒めることよりも好ましくない行動を無視することのほうが大変だという人も多いでしょう。
この本では、子ども自身を無視するのではなく、あくまでもその行動を無視するというテクニックについても触れられています。
叱らずに褒めることが大事だとわかっていても、ついつい叱ってしまう、無視しようとしてもなかなかできないという保護者の方の意識改革にも役に立ちそうですね。
子どもへの接し方がうまくいかず、イライラして悩んでいる人に是非読んでいただきたい内容が盛りだくさんです。
マンガなので気楽に読めますし、解説もわかりやすいのでおすすめです。
著者の横山浩之氏は、福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療センターの教授で、専門は小児神経学です。
センターでは保護者向けのペアレントトレーニング講座も行っているようです。
子どもと一緒に親も成長していくというのが、ペアレントトレーニングのあり方です。
初めから適切に対応できる人はいません。
こういった書籍や専門家の力を借りて、親も少しずつステップアップしていきましょう。
また、中には勉強面のサポートも可能にする
「勉強ペアレントトレーニング」というものもあります。
オンラインで日本全国から受けられるプログラムですので、
ご興味ある方はぜひご覧ください。
■「すらら」の勉強ペアレントトレーニング
https://surala.jp/parental-services/bx-mgmt/lp/