自閉症の子どもの子育てに悩んでいる、どのように教育したらよいのか分からない、という方は少なくないかもしれません。
そこでおすすめなのが、医療や教育の専門家と一緒に自閉症の子どもの成長を支援する「療育」です。
今回は、自閉症の子どもが療育を受けるメリットや療育を受ける方法を紹介します。
目次
1. 自閉症の子どもに療育をおこなうメリット
療育といっても、どのようなことをするのかわからないという方も少なくないでしょう。
そこで、療育について紹介しながら、自閉症の子どもに療育が必要な理由を紹介します。
1-1 療育とは
「療育」とは発達障害のある子どもが社会の中で自分らしく、自立した生活を送っていくために必要な力を育てる援助です。
医療や教育、保育の専門的な視点で、障害のある子ども一人ひとりの特性に合わせて、子どもの成長を促します。
トイレや着替えといった日常生活を送る上で必要な動作や言語や書字、計算などの学習を子どもの発達、障害に合わせて身につけていきます。
また、体の動かし方が苦手な子どもに対する運動や他人とのコミュニケーションといった社会に出て生活するための力なども、子どもの特性に合わせて、トレーニングしていきます。
発達障害の子どもは他の子どもより劣っているわけでは決してなく、成長の凹凸が激しいだけですので、専門的な視点や手法で良いところを伸ばし、苦手な部分を補う援助が必要になります。
多くの専門家が関わり、世界的に様々な方法が研究・開発されている療育は、発達障害の子どもにとって重要な支援方法です。
1-2 自閉症の特徴
自閉症の特徴は以下の3つが挙げられます。
- 人との関わりやコミュニケーションが苦手
- 言葉の発達が遅れる
- 興味の偏りやこだわりが強い
など、子どもの成長にさまざまな影響が出ることがわかります。
この他にも、音や触感など特定の感覚に敏感であったり、運動や細かい手作業が苦手だったりするなどといった特徴もあります。
しかし、これらの特徴は自閉症を大きく捉えた特徴で、障害のない子どもと同様に、自閉症の子どもの特徴にも個人差があり、一人ひとり個性があります。
次の項目では、以上のような自閉症の特徴を踏まえ、療育のメリットを紹介します。
1-3 自閉症の子どもに合わせた専門的な援助”療育”のメリット
自閉症の子どもに対する療育のメリットは大きく3つあります。
- 障害の程度や発達の段階に合わせたプログラムが受けられる
- 個別や集団などプログラムが多種多様
- 親も発達障害に関する知識や教育法を身につけることができる
自閉症の特徴を踏まえると、学校で大勢いる生徒のペースに合わせて教育を受けることは、ストレスになりやすかったり、孤立しやすくなったりする可能性があります。
また、国立成育医療研究センターによると、自閉症の子どもに対する療育は早期から開始することで、他人と自ら関わる力が向上すると報告されています。
そのため、自閉症の程度や発達のペースに合わせて、専門性や個別性の高い教育である療育を早い時期から行うことは、自閉症の子どもにとって非常にメリットの大きいことです。
2. 自閉症の療育方法は様々!家庭療育ならではのメリットも
療育を受ける方法は様々ですので、子どもや家庭に合わせた方法で療育を受けることがおすすめです。
下記で療育を受ける方法をご紹介します。
2-1 自閉症の子どもに合わせた療育の方法
療育機関の種類や療育を受けるスタイルについて以下の表にまとめます。
療育機関の種類 | 療育を受けるスタイル |
市などが運営する公的機関 | 幼稚園や小学校のように午前中から通う |
医療機関併設の機関 | 幼稚園など通いながら帰宅後に通う |
NPOや民間の機関 | 適宜希望するタイミングで通う |
以上のように療育機関に通う方法も様々です。
これ以外にも療育機関によって、配置されている専門家や療育方針などが異なるので、事前にしっかり調べてみましょう。
2-2 療育を家庭で受けるメリット
療育を家庭で受ける方法として以下のようなものがあります。
- 通信教育
- 専門家の訪問サービス
- 親による家庭療育
療育方法は様々な方法が開発されており、それを親が学ぶことで、家庭での療育を行うことも可能です。
また、通信教育の中には、そのような療育のメソッドを応用して開発されているものもあり、親も療育について一緒に学ぶことができます。
自宅での療育には以下のようなメリットがあります。
- 慣れた環境でできる
- 親が直接療育に関われる
- いつでも実施できる
3. 自閉症の子どもに療育をおこなう方法・メリットまとめ
以上のように、療育は自閉症の子どもの成長にとって重要な役割を果たします。
療育の方法は様々ですので、自治体に設置されている子育ての相談窓口や発達障害支援センターなどに相談して、子どもにあった療育を見つけましょう。