普段は冷静な人でも、いざわが子のこととなると、どうしても悩みが大きくなることもあるでしょう。
子育てが辛いと感じるときは、一人で抱え込むのではなく、同じような悩みを持つ者同士でつながりあえる場所を探してみるのも1つの手です。
今回は、発達障害の特性を持つ子どもの親同士が情報交換をしたり、親睦を深めたりできる「親の会」について、ご紹介します。
目次
1. 発達障害児の親を支援する「親の会」とは?
「親の会」とは、発達障害児の親や、障害の診断がおりていなくても、発達につまずきのある子どもを支える保護者を対象とした場所です。
親の会の主な活動は、以下のようなものがあげられます。
- 日々の悩みや辛さを打ち明ける
- アドバイスや経験を伝えあう
- 発達障害に関する勉強会や講演会を開催する
発達障害の子どもとの生活や関わりは、普通のお子さんを持つ保護者と違って様々な苦悩やストレスがあります。
障害の特性に応じて、親が気を付けて子どもと関わらなくてはなりません。
普段の生活においては、子どもが自立していない面でのフォローや、偏食やこだわりへの対処、時間を守らせることや勉強のフォローなど、同じ年齢の子どもを育てるのとは違い、多大な援助が必要となります。
「親の会」は、そうした同じ境遇の人たちが集まり、その辛さや、良き子育て方法などを語り合える貴重な場です。
また、中には発達障害をより多くの人へ知ってもらうために、機関誌やインターネットを使った啓発活動を行っている会もあります。
2. 「親の会」は子育ての道しるべ? メリット・デメリットについて
発達障害児を持つ悩める保護者が、「親の会」へ参加することでどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
参加することで、発達障害の子どもを育てる上での道しるべとなりうるのでしょうか。
実際に参加したことのある人の声から、探ってみましょう。
「親の会」のメリット
「親の会」に参加して感じたメリット
- 同じ境遇の人と話ができ、子育てに関して同じようなことを悩んでいるため安心感が得られる
- 先輩保護者から経験談を聞くことができ、場合によっては育児の方法が見つかることもある
- 後輩保護者の悩みに寄り添い、経験談を話すことで安心感を与えることができる
- 普通の親同士の会話からは聞けないような、幼稚園や学校などの情報を交換できる
- 様々な支援サービスや放課後デイサービス、各種手続きなどの情報を交換できる
発達障害の子どもを持つ親は、子どものためを思って、または自分の救いを求めて、共感しあえる場所である「親の会」に参加しているはずです。
中には家族にさえ理解してもらえず、育て方が悪い、甘やかしすぎのせいだと言われ、辛い思いをしている保護者もいることでしょう。
また、発達障害児の他に健常な兄弟姉妹がいることで、なかなか思うように育児ができずに悩んでいる人もいます。
「親の会」は、そういった行き場のない、誰にも話せない悩みを抱える保護者達が集まり、同じ気持ちを共感したり、寄り添いあったりすることができるというメリットがあります。
また、普通の親同士の会話からは得られないような、様々な情報を得ることができるのも、大きなメリットの1つではないでしょうか。
進級予定の学校における支援クラスの状態や、支援のある高校に関する情報、または障害者枠で就職できる職場に関することがらなど、普通に生活をしているだけでは得られないような、詳細な情報を得ることができる場合もあります。
そういったメリットを考えると、現在子育てで悩んでいる方は、参加してみるのもひとつの手段として有効であるといえるでしょう。
2. 「親の会」のデメリット
「親の会」に参加して感じたデメリット
- 考え方が違う人がいたり、考え方を押し付けられたり、否定されることもある
- 一度参加すると、なかなか辞めにくい
- 学校の保護者会などとは違い、様々な年齢層の保護者がいるので付き合い方が難しい
- 勉強会や講演会などのイベントの準備、運営が大変
- 役割分担、役員業務などもあり、忙しい
- 広報誌の発行や、啓発活動などもある
- 登録団体などに所属した場合、本部などとメールや電話のやり取りをする仕事もある
「親の会」に参加してみたのはいいけれど、なんとなく雰囲気が合わないと感じたり、人との意見が異なると思ったりすることもあるでしょう。
また、子どものために入会したのにも関わらず、様々な事務的な仕事や、運営に関わる業務に追われてしまうせいで、家庭でも子どもに向き合う時間が短くなってしまうといったこともあるようです。
そんなときは、遠慮なく退会しましょう。
3. 「親の会」に関するまとめ~子どもだけではなく親にも支援が必要~
「親の会」とはどのようなものなのか、そしてそのメリットやデメリットについてご紹介しました。
発達障害児を抱える親のための「親の会」の他にも、悩める親の集まりは各市町村にあるでしょう。
悩みを抱えて行き場のない辛さを感じているのなら、一度そうした場所に足を運んでみるのもいいかもしれません。
そして「親の会」において、自分は一体どう過ごしたいのかを忘れずに参加することが大切です。
発達障害の子どもを育てるのは精神的にも体力的にもとても大変なことです。
子どもだけではなく、親にも支援や心の支えがあってこそ、しっかりと子どもを育てることができるはずです。
悩んでいる方は、是非とも参加してみてはいかがでしょうか。