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心理学の分野にABA(応用行動分析学)というものがあります。
ABA(応用行動分析学)は教育、医療、スポーツ、福祉、介護、リハビリテーション、さらには一般企業のコンサルティングなど多種多様な分野で実績をあげたことで注目を集めています。

中でも、発達障害の療育現場では、ABA(応用行動分析学)は問題行動の改善手法として非常に評価が高く、アメリカでは自閉症の子供の療育として保険適応もされるほど認知されています。
とくに自閉症の傾向のあるお子さんには、親がこの考え方をいち早く理解し、早期療育に取り入れることで改善につながる可能性があります。

ここではABA(応用行動分析学)の考え方の基本をひもときながら、実際の活用例もご紹介していきます。

1. ABA(応用行動分析学)とは? 行動の「原因」から「解決」へ

ABA(応用行動分析学)と聞くと、なんだか難しそうでとっつきにくいと感じてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。
ABA(応用行動分析学)は、問題行動を起こしやすい子どもの様々なトラブル解決にとても役立つ思考分析です。
簡単にいえば、「問題行動そのものだけを見るのではなく、その前後の環境などにも着目する」ことがABA(応用行動分析学)なのです。

例えば、子どもの以下のような行動は、スムーズな社会生活を送ることができなくなったり、周囲とトラブルを起こしたりする原因となります。

  • 物事が思い通りにいかず腹を立て、癇癪を起こしたり周囲に攻撃をしたりする
  • 好きなことに夢中になるあまり、周りの指示が聞こえなくなってしまう

実際にこのようなトラブルに直面したときに、子どもの行動の理由が理解できずに悩んだり、イライラしたりしてしまう親御さんも多いのではないでしょうか。
ここでいうABA(応用行動分析学)は、「なぜそのような行動を起こすのか?」という原因の理解を深め、思考を進めていくものです。

トラブルになってしまう問題行動そのものを注意するのではなく、その前後はどういう状況だったのかをしっかり理解してあげることがポイントとなってきます。
親と子が一緒にトラブルの原因を把握することで、良い方向に進んでいくきっかけを作ることを目指していきましょう。

2. ABAの基本的な考え方とは? 「ABCフレーム」に注目

ABA(応用行動分析学)Applied Behavior Analysisの略でアメリカの心理学者スキナーが提唱した行動分析学の考え方がベースになっています。

行動分析学の研究を重ねる中で、行動分析学を実社会で起こる様々な問題にどのように応用していくのかという点に注目が集まりました。
ABA(応用行動分析学)はそこから広がっていったのです。

その考え方の基本は、「個人」と「環境」の相互作用を重視するといった点にあります。

問題行動を起こしてしまった場合に、その行動自体に注目することは当然です。
それに加えて、「その行動を起こしたときの周囲の環境、他の人やモノについて細かく見ていく」ことがABA(応用行動分析学)の大きな特徴です。

言い換えると、「直接的な行動そのものだけをクローズアップするのではなく、その前後の環境や他人の動きにも注目する」ということです。
例えば、子どもがおもちゃを欲しがったときの場面を想定してみましょう。

  1. おもちゃ売り場にいく
  2. おもちゃを欲しいと訴えても買ってもらえないので、癇癪をおこす
  3. おもちゃを買ってもらえる

この状況をABA(応用行動分析学)の視点で考えてみます。

この事例では、おもちゃ売り場へ行ったときの欲求が(①)、癇癪を起こすという行動によって(②)、おもちゃを買ってもらえるという形で満たされる(③)という一連の流れがあります。
「癇癪を起こす」=「自分にとっての望ましい結果を得る」という連続関係が、「癇癪を起こす」という行動の「強化」(行動の頻度が高くなること)を引き起こすと考えるのです。

この状況において①は「癇癪という行動を起こす前の状況」となる先行事象(Antecedent)といえます。
②は「癇癪という行動」(Behavior)と捉えることができ、それによって導かれた③の状況は「癇癪という行動を起こした結果」なので後続現象(Consenquence)と呼びます。

子どもはこの「A→B→C」の流れを理解し、また同じような先行事象(A)に出会ったときに、行動(B)を起こします。
この例でいうと、「おもちゃを買ってもらえないことに対して、癇癪を起こす」ということですね。

この一連の流れは、結果的に行動(B)の頻度が上がっていくことにつながります。
ABA(応用行動分析学)では、この考え方をそれぞれの頭文字をとって「ABCフレーム」として分析材料とします。

3. ABAの効果は? 知的発達に有効との研究結果も


ABCフレームの分析によって、自分のとった行動の結果として要求が満たされたり望ましい結果を得ることができたりすると、それ以降その行動を繰り返しやすくなる傾向(強化)がみられることがわかりました。

今度はこの考え方を、良い行動をとったときの場面に置き換えて考えてみましょう。

  • 子どもが宿題をした→褒めてあげる
  • 子どもが部屋を片付けた→お菓子などのご褒美をあげる

この2つの例の場合、行動に対する後続現象は褒めてあげることやお菓子をあげることです。
この「褒める」、「お菓子をあげる」という後続現象を「強化子」といい、宿題をしたり片づけをしたりする良い行動を強化する要因となります。
明確な強化子を与えると、その前に起こす行動を強化できます。
「強化子を与えられたことにより、行動が強化される」という流れを、お互いがわかりやすく理解できるような仕組みを親子で構築していくことが必要です。

つまり、子どもにとって嬉しい強化子を増やしていくことは、正しい行動や良い行いがどんどん増えていくことにつながると言えます。
反対に、起こした行動に対して何も良いことが得られなかったら、どうなるでしょうか。
「強化」とは逆に、その行動自体が「消去」されるという方向に向かってしまいます。
宿題をがんばっても褒めてもらえない、お手伝いをしてもご褒美も何もないという環境では、良い行動をしなくなっていくということですね。

そこから考えると、おもちゃ売り場で癇癪を起こすことが、おもちゃが手に入るという結果につながらなければ、癇癪を起こすという行動が消去されていくことにつながるともいえますね。
簡潔にいうと、問題行動は「消去」する、良い行動は「強化」する。
これを繰り返していくことで、悪い行動を減らし、良い行動を増やすということを習慣化させていくことが重要だということですね。

このような理論を展開するABA(応用行動分析学)が、実際に子どもの行動改善に貢献したことを示す研究結果をひとつご紹介します。
1987年にUCLAのロバート博士が実施した以下の研究結果をみてみましょう。

<ロバート博士の研究概要(1987年・UCLA)>

研究対象:2~3歳の自閉症の幼児19名
実施した療育:ABA(応用行動分析学)療育を週に40時間
療育結果:19人中9名の幼児の成績がIQ80以上に到達

IQ80以上とは、知的発達が正常な基準に達していることを示すものです。
また、この研究は、子どもたちに付き添いなどのサポートをつけずに行われました。
そのことも踏まえると、この研究は自閉症がある子どもに対するABA(応用行動分析学)療育の効果を立証したといえるでしょう。

4. ABAの具体的な手法は? 実生活に活用する方法とは

では、実際に普段のコミュニケーションの中で、どのようにABA(応用行動分析学)を活用していくべきかを考えてみましょう。
子供 ストレス例えば、日々の買い物や散歩の途中で、子どもが欲しいものをねだり、怒る、泣く、暴れるなどの問題行動を起こしたとします。

これを良い行動を強化するためのABCフレームにあてはめると、Aの先行事象はお店の売り場に欲しいものがあること、Bの行動はその欲しい気持ちを我慢すること、Cの後続現象は褒めてもらえること、ご褒美があることという流れになります。
ここでしっかりと我慢をするという行動(B)ができたら、子どもにとって嬉しいと感じること(C)を用意することが大切です。
そのためには親子の間でのルールを作ることが有効です。

良い行動に対しては、子どもにとってわかりやすい見返りを用意してあげることが効果的です。
お気に入りのノートにシールをはってもらえる、3回我慢できたら要求をかなえてもらえる、などが良い例です。

Bの行動改善に関してはスモールステップで進んでいくようにしましょう。
食事のときに立ち上がらない、短い時間でも宿題に集中できた、など些細なことからで構いません。
まずは達成することが大切です。

5. ABA療育は日本で受けられる?自宅で、親子で取り組むためのアドバイス

冒頭にも記載した通り、ABA(応用行動分析学)はアメリカでは保険適応となる療育方法です。
ABA療育を受けるにあたっては、しっかりとした有資格者の指導を受けることが大切です。
しかし、日本でABA療育を受けることができる機関はまだまだ多いとは言えないのが現状です。
おすすめの取り組み方は、まず親子でABAの有資格セラピストとじっくりと面談をし、子どもの抱えている問題点を共有することです。
そして、しっかりとコミュニケーションをとれる状態を作った上で、セラピストによるプログラムを自宅でじっくりと進めていくのです。

ゆくゆくは自立した考え方を持って行動できるようになることを目標とし、日常生活でのスモールステップを親子でクリアしていくことを繰り返しましょう。
小さな努力を積み重ねて、子どもの成長をゆっくりとサポートできるよう取り組んでいきましょう。

6. 特性や成長速度を考慮して、その子に合った療育をみつけよう

発達障害をもつ子どもには、それぞれ違った「困りごとのテーマ」があります。
その特性にあった解決方法を見つけながら、成長をサポートしていくのが療育です。

成長のスピードには個人差があり、乗り越えなくてはならない壁の高さもそれぞれ違います。
大切なことは、子どもの持つ強みや本来の力を発揮できる環境を作ってあげることです。

子どもが周囲と自分を比較して不安を感じてしまったときは、親が子どもと真剣に向き合って、できることを増やしていくサポートをしてあげることが大切です。

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