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広汎性発達障害 療育広汎性発達障害(PDD)とは自閉症やアスペルガー症候群などを含む5つの発達障害の総称です。広汎性発達障害(PDD)の子どもに対する教育としては、障害や子どもの発達に合わせて専門家による治療・教育を行う「療育」が有効とされています。今回は広汎性発達障害(PDD)とはどのような障害なのかを解説しながら、療育方法について紹介します。

1. 広汎性発達障害(PDD)とは?自閉症と違うの?

広汎性発達障害 自閉症 違い近年、発達障害に関する研究や議論が進み、障害の分類や考え方も変化しています。自閉症やアスペルガー症候群などの名前がよく聞かれるようになり、「広汎性発達障害(PDD)と自閉症はどう違うの?」という疑問を持つ方も増えてきています。そこで、療育方法についての説明をする前に、広汎性発達障害(PDD)とは何なのかを解説します。

1-1. 広汎性発達障害(PDD)に含まれる障害

冒頭でお話ししたように、広汎性発達障害(PDD)には5つの障害が含まれます。それぞれの障害の名前と特徴を以下にまとめます。

障害名障害の特徴
自閉症「対人関係やコミュニケーションの難しさ」、「言葉の発達の遅れ」、「興味や関心の幅が狭くこだわりが強い」という3つの特徴を持っています。重度の自閉症では知的な発達の遅れ、体の不自由さなどが見られる場合もあります。
アスペルガー症候群自閉症の基本的な特徴が見られるものの、言語や知能の遅れが見られないのが特徴です。
レット症候群遺伝子異常による障害です。生後半年ごろから、睡眠時間が長い、周りへの反応が少ないといった症状が見られますが、見過ごされることが多く、正常の発達とみなされることも少なくありません。成長にともない獲得した手の動きなどが見られなくなり、手足を繰り返し動かす常同運動が現れます。筋肉をうまく使うことができず、歩くことができないこともあります。重度な知的障害がある場合も少なくありません。男児より女児に多い障害です。
小児崩壊性障害2歳頃までは正常の発達が進みます。しかし、それから5歳ころまでに、成長で習得した能力を急に失ってしまう(退行)という特徴があります。最初は意味のある言葉の消失がみられ、遊びや周囲への反応なども失われていきます。退行は半年ほどで終わり、その後は重度の自閉症のような症状を示し、日常生活が難しくなります。
特定不能の広汎性発達障害広汎性発達障害の症状の一部が見られるものの、特定の障害に当てはまらない場合に使われます。
通常、3歳ごろから症状が現れる自閉症ですが、発症年齢が遅い非定型自閉症もこの中に含まれます。

1-2. 現在は使用されていない?広汎性発達障害(PDD)と自閉症との違い

2013年に、発達障害の診断において国際的に使用されていたDSM(精神障害の診断と統計マニュアル)と呼ばれる基準が改定されました。そして、以前のDSMで使用されていた「広汎性発達障害(PDD)」という名称がなくなり、今まで自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれていた診断は、「自閉症スペクトラム障害」に統一されました。

これは、自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害が、コミュニケーションや対人関係の難しさやこだわりの強さといった部分で共通の特徴があり、明確にわけるのはふさわしくないという国際的な考え方からきています。細かく分けていた障害をひとつのまとまりと捉えて、個人ごとの特性をしっかり把握して対応を工夫しようという考えが広まっています。
そのため、広汎性発達障害(PDD)と自閉症は、ほとんど同じ意味を持っていると考えても間違いではありません。ただ、以前は広汎性発達障害に含まれていたレット症候群は、遺伝子異常を原因とする神経系の難病であり、自閉症スペクトラム障害とは明確に区別された障害とされています。

2. 広汎性発達障害(PDD)における療育とは?

広汎性発達障害 療育療育は医療や保育、心理などの専門家が、子どもの障害や発達段階に合わせて、専門的な支援を行います。広汎性発達障害の子どもにとって、療育は成長を促すために非常に重要な手段になります。そこで、広汎性発達障害(PDD)の子どもに対する療育のメリットや方法、支援を受けられる場所をご紹介します。

2-1. なぜ療育がおすすめなのか?

療育は、専門家が障害の程度や成長の段階、家族や家庭の状況、支援を受けているサービスなど様々な視点を踏まえて行う支援です。子どもの発達に合わせて、トイレや着替え、食事など、生活でできる動作を習得したり、集団での遊びや会話など社会での生活における必要なスキルを身につけたりする練習をします。食事 療育そのため、心身の障害だけでなく、人との交流やコミュニケーション、集団への適応が難しいことが多い広汎性発達障害(PDD)の子どもが、社会生活を送る上で欠かせないスキルを習得することができます。

2-2. 療育に関わるスタッフは?

療育にはたくさんの専門スタッフが関わりながら、専門的な治療を行います。そこで、療育に関わる専門スタッフと療育における役割を紹介します。

職種役割
医師病気や障害に関する医学的な管理やリスク、治療方針に関する判断をする
看護師健康維持や病気のリスクを管理したり、体調不良などへの対応をしたりする
理学療法士運動や姿勢などの体の障害に関する支援をする
作業療法士細かな手作業や遊びなどの活動への支援をする
言語聴覚士コミュニケーションに関する支援をする
保育士必要な手助けをしながら成長に合わせて身の回りのことが行えるように支援する
臨床心理士不安やストレスへの対応や、心理的なアプローチを通して成長を促す支援をする
社会福祉士子どもの成長に合わせた適切な社会への参加に向けての相談や援助をする
介護福祉士障害により介助が必要な子どもに対して、専門的な視点で介助をする
音楽療法士音楽を通して、楽しみを持ったり、集団でのコミュニケーションをはかったりできるよう支援する

スタッフには、医師や看護師などの医療スタッフ、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職、介護士や社会福祉士などの介護・福祉専門職など、非常に多彩な専門家による支援が行われます。

2-3. 療育の具体的な内容は?

療育と言われても具体的にイメージがつきにくいかもしれません。以下に具体的な療育の方法をいくつか紹介します。

・ABA(応用行動分析)

応用行動分析 ABA1つの行動は細かくたくさんの動きが積み重なってできていると考えて、行動を細かく分析しながら、それぞれの課題や問題点を探し、課題や問題の修正や新しい行動の獲得を目指す療育法です。

・TEACCH(ティーチ)

自閉の症状を障害として捉えて修正するのではなく、普通の子どもより特徴の凸凹が大きいだけだと考えます。そして、凸の部分である良いところを伸ばして生活に適応できるようにする療育法です。
絵や写真など自閉症の子が理解しやすい視覚な情報を活用したり、パーテーションでしきったり、刺激を減らすなど集中できる空間を作ったりといった「構造化」という手法を活用します。

・SST(ソーシャルスキルトレーニング)

社会と適切に関わるために必要なスキルをソーシャルスキルと言います。広汎性発達障害(PDD)の場合は、人やルールに合わせたり、自分の気持ちを伝えたりなど社会での生活に必要な行動が難しく、ソーシャルスキルが身につきにくい傾向があります。ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、集団での関わりや遊び、ロールプレイなどを通じて、ソーシャルスキルを見つける療育法です。

 

これらの療育法は数ある方法の一部です。どれが優れているというわけではなく、子どもの特徴や個性に応じた支援内容があります。支援内容を決める上でも、療育に関わる専門家の助言は非常に重要です。

2-4. 療育を受けるまでの流れは?

療育に関して相談したり、実際に療育を受けたりする方法はたくさんあります。療育を受けるまでの流れを以下に示します。

<療育を受けるまでの流れ>

  1. 市町村にある児童相談所や保健センター、医療機関の医師などに相談
  2. 子どもにあった療育機関を紹介してもらう
  3. 実際に療育機関を見学して、行きたい機関を決める
  4. 専門家による意見書と申請書を提出して療育の必要性を確認する
  5. 希望の機関で療育を受ける

以上のような流れで、療育の必要があると認められれば、障害者手帳や療育手帳を持っていなくても療育を受けることができます。

2-5. 療育はどこで受けられるの?受ける方法は?

最後に療育を受けられる機関や受けられる方法を紹介します。

・市町村などにある発達支援センター

障害があったり発達が遅れたりしている子どもの相談や支援をする発達支援センターでは、個別に相談や指導を受けることができます。

・医療機関などに併設する療育センター

発達障害などの専門的な支援をする医療機関や大学では、療育センターが併設されており、医療などの専門家による療育を受けることができます。

・NPO法人などが運営する放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、6歳から18歳までの就学児が、学校での授業が終わった後に通って療育を受けることができます。通うデイサービスによって特色はさまざまで、療育の方法も異なります。

 

これらは専門家がいる機関に通って療育を受ける方法です。他にも保育等訪問支援といって、必要に応じで保育所や幼稚園に専門家が訪問して療育を受けるサービスもあります。
もちろん、ご家庭で親が専門家や書籍で学んで療育をすることもできます。近年、専門家が作成した療育専門の通信教材も開発されています。子どもに信頼のある親だからこそ、療育をより効果的にできる場合もあります。

3. 広汎性発達障害(PDD)の療育に関するまとめ

広汎性発達障害(PDD)は、コミュニケーションや対人関係、こだわりの強さなど社会に出て生活することが困難になることが少なくありません。場合によっては、身体や心に障害をきたし、日常生活にも支障が生じる場合もあります。そのため、専門家の支援を直接受けられる療育は非常に重要な役割を果たします。
また、最近は自宅でも療育を受けられる方法も増えており、以前より療育が身近な存在になっています。専門家と相談しながら子どもにピッタリの療育方法を探してみましょう。

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